東京弁護士会 職務質問におけるレイシャルプロファイリングに関する意見書
「意 見 の 趣 旨
外国にルーツを持つ人々に対する外見等を理由とした差別的な職務質問に関する問題は、報道等を通じて広く社会に認知されるところとなった。このような職務質問が許されないことは警察庁も認めるところであるが 、当会が行ったアンケート調査の結果も、このような職務質問が広く行われていることを強く推認させるものであった。
これは人の外見という生来的な特質に着目した差別であり、憲法第14条(法の下の平等)、警察法第2条第2項(警察活動における責務)、同法第3条(警察職員の服務)に反するものであるから、このような差別的職務活動は直ちに止めなければならない。
そこで、当会は、警察活動における上記状況をなくすため、警察庁、警視庁、道府県警察本部及び政府に下記事項の実行を求める。
記
1 警察庁は、人種差別的な職務質問を防止するためのガイドラインを策定し、公表すること
2 警察庁は、職務質問に携わる警察職員が人種差別的な職務質問を行わないよう必修研修プログラムを作成し、警視庁及び道府県警察本部は、警察職員に対して継続的にその研修を実施すること
3 警察庁は、職務質問に携わる警察職員が人種差別的な職務質問を行っていないかを検証するため、対象者の民族的ルーツに基づく特徴を含む外見的特徴、対象者の挙動及び周囲の事情等の職務質問を開始した状況、職務質問にかかった時間、所持品検査の有無等の職務質問の内容についての記録のためのチェックシートのひな型を作成し、警視庁及び道府県警察本部は、これをもとに警察職員にチェックシートで記録させ、当該記録を公開すること
4 警視庁及び道府県警察本部は、継続的に、人種差別的な職務質問に関する実態調査を行い、その結果を公表し、警察庁はこれに協力すること
5 政府は、独立した国内人権機関を早期に設置し、警察職員の人種差別的な職務質問の実際調査、及び、それにより権利・利益を侵害された人々の救済を、当該国内人権機関に担わせること」
谷直樹
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