弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京高裁令和6年5月16日判決 東日本入国管理センター収容者の死亡事案で救急搬送を要請する義務を認める(報道)

東京高裁令和6年5月16日判決(増田稔裁判長)は、牛久市の入管施設に「東日本入国管理センター」に収容されていた43歳のカメルーン人男性が2014年3月に死亡した事案で、死亡前日の夜、男性はぐったりして苦しそうな様子をみせて『アイムダイイング』と体調が悪いことを訴えていたことから、センターの職員は男性の生命、身体に危険が生じているおそれがあると認識することができ、救急搬送を要請する義務があったがそれを怠った、と過失を認定し、救急要請をして治療を受けていれば、病状の悪化を止められた可能性があったと認定し、職員は収容者の健康を保つ義務がありそれを怠った程度は軽いものとはいえないとして1審と同様に165万円の賠償を命じた、とのことです。
責任を認めたのは医療を受ける権利にとってはよい判決ですが、賠償額が少ないですし、義務違反は前日夜より前にもあるのではないか、と思います。
弁護団長の児玉晃一弁護士は、「1審判決が維持され、半ばほっとし、半ば残念に思う。注意義務違反の程度が決して軽いものとは言えないと判断されたのは悪くないと思う」と述べた、とのことです。
指宿昭一弁護士は、入管が組織として反省しないことには医療体制の強化と言っても実効性はない、とコメントしています。

NHK「入管施設収容 カメルーン人男性死亡 2審も賠償命じる 東京高裁」御参照

谷直樹

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by medical-law | 2024-05-18 09:43