弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

両側緊張性気胸を外来で経過観察とした10代の患者が両側緊張性気胸による呼吸不全のため死亡した事案で市民病院が和解へ(報道)

新潟市民病院は、令 和 6年5月30日、そのサイトに「医療事故に係る和解について」を掲載しました。
なおこの件は私が担当したものではありません。

「2 死亡に至った原因
術前から肺の嚢胞(ブラ)があり、術後、その破裂により気胸が生じるリスクがあった。令和5年2月中旬の外来受診の胸部X線検査で中等度(Ⅱ度)の両肺の虚脱が認められた際、入院させてドレーンを留置するなどの処置をとるべきであったが、呼吸苦が改善傾向で血中酸素飽和度が良好に保たれていたため外来での経過観察としたことが、主因であると考えられる。

3 和解に至った当院の考え
両側緊張性気胸により死亡したことと、両側の肺気胸を外来で経過観察したこととの間に因果関係が認められると判断し、和解に向けて示談協議を進めたところ、議会の議決を条件とする和解金83,697,466円で合意に至った。

4 再発防止に向けた取組
(1)両側同時気胸や中等度以上の肺虚脱が認められる場合、自覚症状が軽く酸素飽和度が良好であっても、入院の上、胸腔ドレナージを行う。
(2)漏斗胸手術において術後の気胸発生のリスクが高いと判断される場合は、ドレーンを数日間留置することで情報を得て、ブラの破裂による気胸と判断された場合には、速やかな手術につなげる。
(3)漏斗胸術後に気胸を合併した場合の対応については、判断が容易ではないため、担当する診療科、呼吸器内科、呼吸器外科で密に連携をとってあたる。
(4)呼吸器外科常勤医が在籍していないため、気胸症例に対して機動的に対応できるよう、院内及び病院間連携による体制構築をすすめるとともに、常勤医の配置に向け取り組んでいく」


呼吸器外科医が常勤していなかったのですね。とはいえ、責任がないとは言えないですね。


谷直樹

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by medical-law | 2024-06-05 13:05 | 医療事故・医療裁判