弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

『医学の古典を読む』

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諏訪邦夫先生の『医学の古典を読む』を再読しました。
以前は一部分しか読んでいなかったので、再読してやはり面白かったです。


第1部 肺と血液ガス
1.表面張力と肺胞界面活性物質
  表面張力の解説で始まる
  表面張力の重要性を示す実験の部分
  理論解析: モデルをやや精緻に
  難解で読まれなかった
  肺胞表面張力の研究のその後
  時代に先行した頭脳の歓び

2.血液酸素解離曲線とボーア効果
  なぜこんな研究が20世紀はじめに?
  論文の内容
  3巨人連名の論文
  ボーアとの2点の接触

3.閉鎖回路と二酸化炭素吸収装置
  論文の内容
  潜水艦と宇宙船の関係
  ウォータースについて
  ヴォルピットの本について

4.人魚姫とオンディーヌの呪いの関係
  抄録の内容
  オンディーヌの呪いと睡眠時無呼吸症候群は同じ?
  「オンディーヌの呪い」の命名は誤りであるという指摘
  オンディーヌの伝説と原典に関して

5.実験は身体を張って --ホールデンの一生
  本の内容
  ボーア効果とホールデン効果
  情報の根源性

6.酸素電極はどう作られたか
  Critical Care Medicineの論文
  FASEBミーティングでの評価: セヴリングハウス登場
  酸素電極を開発した理由
  原論文について

7.PCO2電極なしにPCO2を決める
  アストラップ法の原理
  アストラップ法の誤差と名前の誤解など
  アストラップ氏のこと

8.人工呼吸の換気条件−ラドフォードのノモグラム
  今は使われなくなったけれど
  なぜ重要だったのか
  ラドフォード氏とミード氏
  あえて異をとなえるとすれば
  ラドフォード氏との関係

第2部 循 環
9.脳血流の測定とPaCO2依存性の確立
  論文の内容
  脳血流量の測定法
  ここからの道
  脳血流に興味を抱いている理由
  面識のないのが残念

10.細動脈の力の平衡 -- 臨界閉鎖圧の概念
  血管壁の張力の生じ方に2種類ある
  圧と張力はラプラスの法則で
  弾性線維と筋肉のふるまいの差
  臨界閉鎖圧の概念と現象
  教科書のことと表面張力の問題
  個人的な思い出

11.スワン-ガンスカテーテルはなぜ1970年か
  ラテゴラとラーンの論文
  ラテゴラからスワンまでに何が起こったのか
  スワン-ガンスの原論文と熱希釈法
  肺動脈圧測定用の他のカテーテル
  ラテゴラとラーンのこと
  スワン-ガンスカテーテルの表記について

12.分子病と化学者ポーリング
  電気泳動が基本の解析装置
  鎌状変化のメカニズムの仮説
  ポーリング氏の華やかな業績
  何たる幸運
  「分子病」の次の一歩は

13.手術で溺れる話 --経尿道切除術と水中毒
  生理食塩水を使えない理由と水中毒
  「溶血を起こさないとみえにくい」: 蒸留水で洗浄
  対応とモニターと技術の進歩と
  泌尿器科の独立は

第3部 脳・神経・筋肉
14.なぜ夢をみるのか --夢とレム睡眠
  レム睡眠と夢
  レム睡眠の記述と麻酔との関係
  クリック氏の夢の仮説
  なぜ,どのように「逆学習」するか
  睡眠と夢と

15.絶好のチャンスを逃さなかった話
  サクシニルコリンの使用と消滅への動向
  主題はコリン誘導体の研究: アセチルコリン!
  バイオアッセイの提案など
  私の解釈の誤り
  ハントの名も実は自分の訳書に
  筋弛緩作用の論文

16.式の誤りにとまどった --神経筋伝達の「安全域」
  論文の要旨は
  小さいが重大な間違い
  Patonの他の論文から
  論文の間違いと読者の態度
  論文が数値的に正しいかは別問題

17.装置は人体に似る --セヴリングハウスの業績
  行った仕事の概観
  本質をついた仕事
  積極的な発言と重大発見の感知能力
  もう30年のつきあい
  生い立ちは

18.クラーレは脳に作用しない
  ヒトで実験
  被験者の報告
  論文の特徴
  その後にわかったこと

19.エーテルは飲んでも酔える
  マニラのクーデターをきっかけに
  エーテルを飲む事実の調査法
  地理的分布と入手方法
  摂取方法
  急性作用
  慢性作用
  その他

20.エーテルの摂取 --1960年のファーマコキネティクス
  論文の内容は
  恩地裕先生について
  論文を思い出した経緯
  エーテル静注とエーテル麻酔との縁
  ファーマコキネティクスと吸入麻酔

21.麻酔が脳に効く証明 --ベルナールの見事な実験
  「第1章 麻酔の歴史」
  「第2章 麻酔薬の摂取」
  「第3章 麻酔のメカニズムに関して」
  興味を引かれた点

第4部 薬剤と約理学
22.「受容体」存在を計算で証明
  本書出版の時期と医学の段階
  本書の特徴 --量の計算
  受容体の提案
  麻酔薬の特異性が計算できるか?

23.ホタルの光で吸入麻酔を分析する
  麻酔のメカニズムに関して
  ポイントは単純明快
  日本の研究としての役割
  一途にこの流れを
  私自身の認識は

24.吸入麻酔薬の力価の表現
  有名になるプロセスに2通り
  テクノロジーと力価の比較
  当時発見された類縁の現象
  MACは線形か?
  MACかMAPか
  MACはばらつきが小さい
  EgerとSaidman
  MACへの反証

25.エフェドリンは長井長義氏の発見
  発見のいきさつ
  漢字とカタカナの論文
  命名と再発見との関係
  100年以上使われている薬物

26.サイオペンタルの創始 --合成・薬理・臨床
  サイオペンタル生産中止か
  開発はテイタムとアボット社の協力から
  ランディとウォータース
  原著論文をみつける苦労

27.薬物の作用消失は再分布による
--サイオペンタルのファーマコキネティクス
  論文の要点
  「覚める」のがなぜ重要か
  Price氏について
  早期のディジタルコンピュータ使用
  プログラミングしてみました

28.モルフィン麻酔の創始
  1960年代の心不全患者の麻酔
  論文の内容
  この論文の影響
  “Give ten”のエピソード

29.大気汚染が妊娠異常を招く?
  麻酔薬の「余剰ガス」とは
  催奇性の研究
  手術室の危険との結びつき
  研究の波及効果と蛇足
  研究者の横顔

第5部 統計学
30.t-検定と“Student”
  最初の論文
  2つ目の論文が本物
  “Student”という渾名のこと
  Paired-t検定のグラフ表示に関して
  統計学の3巨人の関係


谷直樹

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by medical-law | 2024-07-06 11:11 | 趣味