弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

『月まで3キロ』

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伊与原新氏著『月まで3キロ』を読みました。
「月まで3キロ」
「アンモナイトの探し方」
「天王寺ハイエイタス」
「エイリアンの食堂」
「山を刻む」
「新参者の富士」
がおさめられている短編集です。

「月まで3キロ」は、自殺しようとする人がタクシーに乗る話です。
地球から月までの距離は約38万kmですが、なぜ3キロ?
読みすすめると、3キロの意味もわかり、タクシー運転手が地球と月の関係と親子の関係が相似的にみていることがわかります。

「星六花」は、男の性が怖いと思う経験をした女性が気象台のLGBTと出会い素直に笑えるようになる話です。

「アンモナイトの探し方」は、心療内科にかかっている小学生がアンモナイトの化石を発掘している老人と出会いハンマーで懸命に岩を叩く話です。

「天王寺ハイエイタス」は、優秀な研究者の兄と元ギタリストの叔父と会う話です。

「エイリアンの食堂」は、不眠症の小さな娘と二人暮らしの定食屋の主人と客の流れ者の研究者と出会い「ないものねだり」の意味を転換する話です。

「山を刻む」は、キャノン・ニューF1で山の写真を撮る主婦が火山研究者が出会う話です。10年間は不変ですと宣言したF1の後継機種が昭和56年発売のニューF1です。フイルムでマニュアルフォーカスのキャノンの最後の機種です。

「新参者の富士」は、うつ病で会社をやめ静岡に帰った人が火山の研究者と出会い、小御岳火山のことを知る話です。
人と出会い心境が変化するのは共通で、理系の知識がストーリーの中に組み込まれています。

お奨めの1冊です。

谷直樹

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by medical-law | 2024-08-18 05:27 | 趣味