弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

薬局のミスで、本来処方されていない糖尿病薬が出され服薬した女性が低血糖後脳症を発症し、亡くなった件の提訴報道

薬局のミスで、本来処方されていない糖尿病薬が出され、それを飲んだ当時74歳の女性が約1月後に意識を消失し、意識を回復吸うことなく約半年後に亡くなった件で、遺族が提訴したと報じられています。
担当したのは私ではありません。

死亡診断書には、直接の死因が心不全で、その原因が低血糖後脳症と記載されているとのことです。
一包化の際、前の人の糖尿病薬が機械に残っており、誤って混入されたとのことです。
本来、2.5錠のはずが4.5錠封入されていたことから、点検すれば防止できた過誤です。

薬局側は、ミスは認めていて、死亡との因果関係を認めていないとのことです。
遺族の代理人弁護士によると、薬局側は亡くなられたことの責任について公表することについて難色を示したこともあり、提訴となったとのことです。

調剤過誤は過失が争われることは」少なく、因果関係・損害が争われることが多いです。提訴、判決例が少ないので、報道の件は判決を残してほしいと思います。




谷直樹

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by medical-law | 2024-08-31 20:37 | 医療事故・医療裁判