東京高裁令和6年10月21日判決、御嶽山噴火災害の遺族側の控訴を棄却

東京高裁令和6年10月21日判決（筒井健夫裁判長）は、長野地裁松本支部判決（山城司裁判長）と同じく御嶽山噴火災害の遺族側の請求を認めなかった、と報じられています。

原判決は、観測データから噴火の前兆現象となり得る山体膨張の可能性を指摘した気象庁職員がいたことを挙げ、２日前に噴火警戒レベルを１から２に引き上げなかったことを違法と認定しましたが（原判決は回避可能性がないことを理由に請求棄却）、東京高裁判決は、観測データの変化の量が小さく、気象庁でも当時、誤差を超えるものではないとされていたとし、噴火後の国土地理院の見解でもこの観測データから山体膨張が生じたと断定できないとされたことを踏まえれば、気象庁の判断は違法とは評価できないとしました。遺族にとっては原判決より後退した判決です。
弁護団長の松村文夫弁護士は「１審判決で認定された違法性も認定されず、後退してしまった。１審の判決では細かく検討して結論が出されていたが、２審の判決は、おおざっぱな判断だという感じがする」と述べたとのことです。

ＮＨＫ「御嶽山の噴火めぐる裁判 ２審の東京高裁も遺族らの訴え退ける」（2024年10月21日）御参照


谷直樹

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