循環器内科医師が、心臓カテーテル検査中の心筋生検時に右室穿孔を 生じさせ、出血による心タンポナーデ、循環動態の増悪、DIC(汎発性血管内凝固症候群 発症)を併発した事案を私的病院が公表
https://ikegamihosp.jp/wp/wp-content/uploads/0adc98c0969af8df67d96d260ee79e06.pdf
「2. 事例検証
(1)心筋生検の同意が得られていない状態で心筋生検を施行していた。
(2)心筋生検施行において技術的な問題がある可能性があった。
(3)心筋生検後、予後を予測した以下の対応が不十分であった。
・カテーテル室退出後、集中治療室等への帰室ではなく一般病棟への帰室
・外科的処置を実施する機会の逸失
・ドレーン閉塞時の対応の遅れ
・医師の当直体制(主治医が在院していなかった)
・状態急変後の循環動態等の確保(食道挿管)
3. 再発防止策
(1)処置の実施を主治医のみの判断とせず、科内にて事前に検討し実施を決定する
(2)新たに「心筋生検」の同意書を作成(2024 年 1 月より運用開始)
(3)当院における心筋生検は経験豊富な上級医師の元で行う
(4)処置の実施時には、関係する部署と事前に注意点などを共有する
(5)医療安全体制の再整備と職員の意識改革
・事故発生時、患者の救命を第一優先として組織横断的に応援体制を整える
・医療安全管理者に可及的速やかに発生報告がなされ、院内事故調査を行う(外部委員を召喚し院内医療事故調査会議を行う)
・事故を教訓として、職員教育を継続的に行い、医療安全意識向上をはかる
4. ご家族様からのご指摘を受けての再発予防策(追記事項)
ご家族様の申出があるまで事故発生後の対応及び報告と説明が不足していた。本来なら患者救命を第一優先として治療すべきところ、集中治療室ではなく一般病棟に退室したこと、外科的止血術を判断するまでに時間を要したこと、心肺蘇生時の気管内挿管が食道挿管であり発見されるまでに時間を要したこと等ミスが積み重なり、身体的に甚大な影響を生じさせた結果となった。
今後は検査後の退出基準を設けて、一人の医師の判断ではなく、多職種共に同じ判断ができるよう判断基準を明確にする。
また、医療事故調査委員会や外部機関への届出を速やかに行い、医療事故を公表し再発防止に努めていく。」
谷直樹
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