弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

人口破水後の双胎第2子の臍帯脱出で病院が責任を認め損害賠償金支払いへ(報道)

つがる総合病院は、2017年に同病院で出産前に人工破水したところ、臍帯脱出が発生し、緊急帝王切開で取り出した双胎の第2子が仮死状態で、NICUのある津軽地方の医療機関に搬送したものの脳性まひが残った。

(1)正常分娩と帝王切開のどちらかを選択してもらう時に各出産方法に伴うリスクなどの説明が不十分
(2)胎児の頭が十分固定していなかった可能性を完全に排除できない
(3)10分以内に新生児を取り上げる「超緊急帝王切開」の体制が取られておらず重大な障害に至った
との判断から、同病院は損害賠償金約9124万円を支払うことを決めたとのことです。

同病院は、今後、双子の出産を希望する場合は、帝王切開で対応する方針とのことです。

人工破膜の要約は児頭が固定していることです。双胎の場合、第2子の児頭を押し下げ 固定させる必要があります。
そうでないと、この事例のように臍帯脱出が生じ得ます。過失、因果関係とも明らかと思います。
なお、この件は私が担当したものではありません。

東奥日報「出産で脳性まひ 9千万円賠償へ/つがる総合病院」(2024年11月27日)御参照

谷直樹

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by medical-law | 2024-11-28 09:40 | 医療事故・医療裁判