弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

千葉県がんセンター、ステロイド長期使用中に定期的な血糖測定が実施されず、糖尿病性ケトアシドーシスによる多臓器不全で死亡した医療事故調査報告書を公表

千葉県がんセンターは、に、当時60代の男性が食道神経内分泌がんが脳に転移したためステロイドを投与し、脳浮腫が悪化したためステロイドを増量したところ血糖値が極めて高くなり糖尿病性ケトアシドーシスによる多臓器不全により2021年年6月に死亡した事案の院内事故調査報告書を2024年12月13日に公表しました。
外部委員を含めた院内事故調査委員会により、ステロイドを長期使用中に定期的な血糖測定が実施されていなかった点、高血糖状態に対して治療介入がされなかった点が適切でないと判断された、とのことです。

再発防止に向けての取組は、以下の4点とのことです。
1.ステロイド使用・がん薬物療法中患者の定期的な血糖測定の義務化:定期採血で必ず血糖値を測る体制にした。
2.糖尿病チームを病院長直属の組織として発足させ、(1)多職種による血糖確認体制、(2)標準化された低血糖対応、高血糖対応の定着などに取り組んでいる。
3.糖尿病専門医による外来を開設した。
4.糖尿病専門医を有する他の医療機関との連携強化を行っている。



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ





by medical-law | 2024-12-14 09:59 | 医療事故・医療裁判