下線部認否方式
医療事件では「注意義務違反(過失)」が争点になることが多いですが、「過失」は規範的評価が必要です。
裁判所は、当事者が主張する評価根拠事実と評価障害事実のうち、争いのあるもの(「否認」と「不知」)について、事実認定を行い、このうち認定できた評価根拠事実・評価障害事実と、争いのない評価根拠事実・評価障害事実を総合的に評価して規範的評価である過失の成否を判断します。
当事者(原告・被告)は、相手方の主張書面(訴状、答弁書、準備書面)に書かれている事実について,細かく、認める部分,認めない部分、知らない部分がわかるように書面に、「認める」、「否認する」、「不知」と書きます。
相手方の主張書面(訴状、答弁書、準備書面)に書かれている法的主張については、争う、争わない、と書きます。
これまで文章で細かく認否を書いていましたが、大阪地裁では下線部認否方式を導入したそうです。
〇認める部分 → 下線を引く
〇否認する部分又は争う部分 → 取消線を引く
※否認理由は、簡潔に、脚注に記載。ただし、詳細な主張は、別途、主張欄に記載する。
〇不知 → そのまま(線を引く必要はない)
※不知とする趣旨について補足説明がある場合(例:積極的に争うものではない。)は、簡潔に、脚注に記載。
これが下線部認否方式です。
下線部については立証が不要で、下線部以外については立証が必要となります。
下線部認否方式は原告・被告双方の書面を見比べ◯✗△を書き入れる手間がありません。
ただし、ワードデータを送信する必要があります。
谷直樹
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