大学病院本院である特定機能病院のあり方についての見直し案
特定機能病院のあり方に関するこれまでの議論の整理
大学病院本院である特定機能病院の見直しに係る方向性
○ 大学病院本院である特定機能病院については、(1)を踏まえ、2040 年頃を見据えて果たしていくべき役割や現在の「承認要件」を超えて自主的に実施している取組を適切に評価するため、以下の2つの観点から、見直しを行うこととしては
どうか。
① 地域(特に医師が少数である等の条件不利地域)において、高度な医療等を提供するための拠点としての機能や、医師派遣機能を果たしていることを評価する。
② 現在の「承認要件」を、すべての大学病院本院が満たすべき「基礎的基準」として整理するとともに、個々の大学病院本院が地域の実情も踏まえて自主的に実施している高度な医療提供・教育・研究・医師派遣に係る取組を「発展的(上乗せ)基準」によって評価し、その結果を公表する。
(中略)
○ 医療提供、教育、研究、医師派遣の分野ごとの発展的基準については、以下のような考えのもとに設定することが考えられるのではないか。
(中略)
① 医療提供に関する基準
・ 複数の合併症を抱える症例や一定の重症度の救急症例を受け入れる等の地域の最後の砦としての機能を担っていること等を評価してはどうか。
・ 例えば、地域医療構想調整会議等での協議を踏まえ、救急や高度な手術等の観点で一定の重症度等の患者を受け入れていることや希少性等が高い患者を受け入れていること等について、地域における受入体制、救急応需体制との関係など様々な観点も含め検討してはどうか。また、特に高度な医療(移植医療、ゲノム医療等)の実施等も評価してはどうか。
② 教育に関する基準
・ 医師派遣と組み合わせ、医師を地域に循環させて教育を行う場合を評価してはどうか。
・ 例えば、医師多数県以外の道県の地域枠の受け入れや、全国から医師を受け入れて行うサブスペシャリティ医師の育成、全国的に希有な専門性の涵養など、全国的な医療提供体制の強化につながる教育体制を評価してはどうか。
・ その他、研修医数、専攻医数等について評価すべき点があるか、引き続き検討してはどうか。
③ 研究に関する基準
・ 研究実施体制、研究基盤等についても評価してはどうか。
・ 例えば、総数だけでなく、医師一人当たりの論文数、競争的研究費の獲得、TOP10%論文数等において、高い実績を出していることを評価してはどうか。
④ 医師派遣に関する基準
・ 地域の医療提供体制の維持に向けた役割に鑑み、特に都道府県と連携した医師が少数である地域等への医師派遣の取組を評価してはどうか。
・ 具体的には、例えば、派遣医師の総数だけでなく医師一人当たり派遣医師数などの観点でも評価することや、医師の派遣には一定の医師確保が前提となることから、医師の確保等に係る前提条件等(大学病院本院立地自治体の医師の多寡や医学部数等を含む)について一定の勘案を行うなどの対応も検討してはどうか。
谷直樹
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