3歳女児が主治医回診まで気管カニューレ抜去状態・心肺停止状態が発見されなかった件
「令和6年7月に、当院小児病棟に入院中だった岐阜県在住の3歳女児が、気管カニューレを装着しての呼吸管理中に抜去状態で発見され、その後お亡くなりになるという事案が発生しました。
最近、小児患者の気管カニューレ等での呼吸管理中の医療事故の報告や報道が続いていました。本例も気管カニューレ装着中であった点と、モニタリングが十分でなかった点が共通しており、2月13日に他県でも同様の小児例が公表されたことを踏まえ、現時点で公表することとしました。
※「気管カニューレ」…気道の確保や、気道の分泌物などを吸引するために、気管切開を行った孔から気道に挿入している管のこと
〔事案の概要〕
本例は、気管カニューレが抜去されると声門下肉芽等により気道閉塞となる状態だったところ、令和6年7月下旬、午前8時58分に主治医回診時に気管カニューレ抜去状態・心肺停止状態で発見された。発見時、看護処置に伴うモニタリングの一時中断状態が続いており、ナースステーション側でアラームは鳴動していなかった。また、他の時間帯に一部通信不良の時間帯が存在したことも確認されている。心拍は再開できたものの、1か月後に死亡された。
※「看護処置」…気管カニューレの痰吸引、おむつ交換、清拭等の一連の看護
【検討課題】
現在、詳細を医療事故調査制度に基づいた医療事故調査委員会で検討中ですが、主な検討課題として以下の3点を考えています。
1.気管カニューレ装着患者の治療・管理について
2.アラームやモニタリングの管理について
3.通信状態を含めたモニター機器の管理について
詳細については、医療事故調査委員会の正式な報告をもって改めて公表します。
当院は今後も、医療事故調査委員会に十分な情報を提供するとともに、患者さんの安全確保を最優先として再発防止に向けた対策を講じてまいります。
本事故を重く受け止め、亡くなられた患者さんのご冥福を心よりお祈りするとともに、ご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。 」
上記のとおり、医療事故調査委員会の報告で主治医回診まで気管カニューレ抜去状態・心肺停止状態が発見されなかった事情が解明されることを期待いたします。
なお、この件は私が担当したものではありません。
谷直樹
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