弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「42 の提言」アクションプランの令和6年度達成状況報告

地方独立行政法人 神奈川県立病院機構は、2027年3月18日、「神奈川県立病院機構医療安全推進体制に係る外部調査委員会による「42 の提言」アクションプランの令和6年度達成状況報告書」を公表しました。

「令和6年度 プラン達成状況概括」は以下のとおりです。

「令和6年度は隔月開催された PT 及び共有シート(オンライン)を活用した月次の進捗管理を行うことで、適時適切に情報共有と意見交換を行い、継続的にプランの進捗を図った。
加えて、四半期ごとに開催される医療安全推進会議や医療安全ワーキング・グループといった医療安全に関する既存の会議体においても医療安全対策標準化に関することを議題とするなど、様々な機会を活用して検討を深めた。
機構全体の取組では
・ 職員育成に係るプランを一体的に推進する方針(案)を作成
・ 発生した医療課題に対し、顧問弁護士(及び本部)、病院が連携して対応する医法連携体制(※)の構築
※ 医法連携体制:顧問弁護士との定期的な相談(連携)体制
・ 5病院で公益財団法人日本医療機能評価機構の安全文化調査に参加し、結果を共有
などを行った。

こども医療センターの取組では
・ 全身管理を不得手とする医師へのサポートチームの構築
・ 総合診療科による外科系診療科サポート及び救急・集中治療科における内科系呼吸器管理サポートの実施
など提言への対応を計画的に実施し、病院の総力を挙げて安全な医療提供を行った。
一方、
・ IC、QI などを検討する場としての各種委員会設置に至らなかった病院があることなど患者市民参画や診療の質評価とフィードバックに関する取組の進捗に課題があった。
各プラン及びタスクの達成状況については、次のように評価することとした
プランの達成状況 → プラン中のタスクAの数(3年間の計画でどの程度進捗しているか)
タスクの達成状況 → A:達成、B:取組進行中、C:未着手、-:対象外
タスクは必ずしも定量指標としての機能を有していないが、
・ 実施できたか否か
・ 対象となる病院中何病院が達成したか(タスクにより対象となる病院の数が5でない場合もある)
・ タスク中の目標の内いくつを達成したか
というように可能な限り定量的に分解し、達成状況を判断した。
結果として、プラン全体では対象とする全 77 タスク中、41 を「A:達成」としたが、タスクとプランの「重み」は均等でないため、この自己評価手法は「一つの目安」であり、次年度以降も着実に取組を進める。
また、プランの推進は、
・ 職員リテラシーの向上
・ チームレベルでの機能強化
・ 組織としての医療安全文化の醸成
といった理念等を組織として認識共有し、成果に繋げていくものであり、プラン初年度においては職員が医療安全に対する様々な気付きを得ることができた。
最後に、プランは年度末において自己評価をした後、医療環境の変化等にあわせて適宜修正、変更することとしているが、現時点においては令和7年度に向けプランを大きく見直す必要性はないものと判断している。
計画どおり達成することができなかったタスクに関しては、次年度以降、速やかに取組を推進す
る。」


谷直樹

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by medical-law | 2025-03-20 00:19 | 医療