令和7年3月31日東京地裁判決、合理的理由なくオキシトシンの投与を継続した医師と医療法人の責任を認める(報道)
産婦人科診療ガイドラインは、陣痛促進剤の静脈内投与中に胎児機能不全あるいは子宮頻収縮が出現した場合には陣痛促進剤の減量
(1/2 以下量への)あるいは中止を検討することを求めています。
判決は、産婦人科診療ガイドラインから、被告担当医は、約20分間にわたって子宮頻収縮が続いており、かつ、本件児は胎児機能不全に陥っており、頻回の子宮収縮が胎児機能不全を助長していると判断し得たのであるから、原則として、オキシトシンを中止すべきであった、と判示しました。
さらに、オキシトシンの投与を継続した被告担当医の判断に、合理的な理由があることを認めるに足りる証拠はない、カルテに記載された検討内容から、オキシトシンの投与を継続すべき合理的理由の存在を推認することもできない、と判示しました。
そして、オキシトシンの投与を継続すべき合理的理由がない以上、原則どおりオキシトシンの投与を中止すべきであったといえる、と判示しました。
また、オキシトシンの投与を中止又は減量していれば、本件児が死亡しなかった高度の蓋然性があると認めるのが相当であるから、過失と本件児の死亡との間には相当因果関係が認められる、と判示しました。
適正な判決と考えます。
読売新聞「出産直後に新生児死亡「合理的理由なく陣痛促進剤投与続けた」…病院側に5000万円賠償命令」(2025年4月1日)ご参照
谷直樹
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