弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市民病院ががんの診断治療の遅れの医療事故2件発表

神戸市医療センター西市民病院は、5月2日に会見を開き、医療事故による死亡事案が2件発生したことを発表しました。

1.甲状腺乳頭がんの男性患者(60代)が死亡

神戸市内在住の男性患者(60代)は、2021年2月に甲状腺の腫瘍が見つかり、細胞を採取して検査をしたものの、採取した細胞では判断することができませんでした。再度細胞を採取して検査することは行われませんでした、2023年8月、患者が肺疾患の治療のため呼吸器内科で診察したところ、甲状腺腫瘍がみつかり、甲状腺乳頭がんと診断されましたが、手術や抗がん剤治療ができず、男性は2024年10月に亡くなりました。病院によると、医師が「良性の腫瘍」と思い込んだためにがんの発見が遅れたとのことです。

2.肺がんの男性患者(70代)が死亡

神戸市内在住の男性患者(70代)は、放射線科の医師は2024年9月のCT撮影で肺がんの可能性を指摘しましたが、主治医は十分に確認しませんでした。患者は同年12月に別の症状で呼吸器内科を受診し、肺がんが確認されましたが、手術はできず、2025年2月に死亡したとのことです。


診断治療が早ければどうだったかの問題はありますが、本来診断治療が行われる時期に診断治療が行われなかったことは医療事故にあたります。再発防止に取り組んでいただきたく思います。
なお、上記2件いずれも私が担当したものではありません。

谷直樹

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by medical-law | 2025-05-02 17:27 | 医療事故・医療裁判