弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大学病院がIVUS カテーテルのコアの回転を停止しない状態で病変部を通過させたために、断裂し冠動脈内に遺残する事故を公表

秋田大学医学部附属病院は、2025年8月27日、昨年起きたIVUS カテーテルのコアの回転を停止しない状態で病変部を通過させたために、断裂し冠動脈内に遺残することになった事故を公表しました。


秋田大学医学部附属病院において発生した医療事故と再発防止について」によると、事故の経緯、原因及び再発防止策は以下のとおりです。

「【経緯】
患者様は、本県在住の男性で、前医で重症大動脈弁狭窄症が判明し、当院循環器内科にて経カテーテル大動脈弁留置術(以下「TAVI」という。)を施行する方針としておりました。
術前の CT や冠動脈造影により、冠動脈の石灰化や狭窄を認めたため、TAVI に先行して PCIを行うこととなりました。
PCI を開始し、血管径や病変の性状評価のために IVUS カテーテルを冠動脈内に進めようとしましたが、狭窄が強く、進めたり抜いたりの操作を繰り返すうちに、IVUS カテーテルに異音と振動が生じ、IVUS カテーテルが複雑に捻れていることを確認しました。体外への抜去を試みましたが、IVUS カテーテルの先端が既に断裂して、冠動脈内に遺残してしまいました。直ちに心臓血管外科と協議の上、開胸手術により遺残物抜去・冠動脈バイパス術・大動脈弁置換術を施行する方針としました。同日に心臓血管外科による緊急手術が行われ、予定どおりの術式で終了いたしました。
患者様は、約一ヶ月後に自宅退院となり、順調に回復されております。

【原因】
IVUS カテーテル断裂の原因究明のため、PCI 実施中の映像及び断裂した IVUS カテーテルをメーカーに提供し検証を行ったところ、製品に問題なく使用時の手技的な問題であることが指摘されました。IVUS カテーテルを進めたり抜いたりする際は、内部のコアの回転を止めた状態で行うことと添付文書に記されていますが、これまで内部のコアを回転させた状態で病変を通過させることが慣例となっておりました。今回は、固い石灰化病変に対しても同様の方法で使用したこと、使用中に IVUS カテーテルが過度に屈曲してしまったことが断裂の原因と考えております。

【再発防止策】
今回の事故を踏まえ、以下の再発防止策を講じます。

●IVUS カテーテル使用方法の周知徹底
IVUS カテーテルのコアの回転を停止した状態で病変部を通過させることで、同様の事象を回避できると考えられるため、IVUS カテーテルの適切な使用法について、関係する医師、スタッフに再度周知を行った。今後も定期的に使用方法について周知し、実施状況を確認していく。」



IVUS カテーテルは、添付文書に記載された方法を遵守して使用することで事故防止のために必要なことが確認されました。
なお、この件は私が担当したものではありません。


谷直樹

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by medical-law | 2025-08-27 23:41 | 医療事故・医療裁判