口頭指示に基づきノルアドレナリンを希釈せず投与したケースについて病院が発表(報道)
北九州の病院が、2025年3月に急性腸炎で入院した90代の女性患者が、翌日に血圧が急激に低下し、手術中だった主治医が電話でノルアドレナリンを希釈して投与するよう指示しましたが、看護師が希釈せずに投与し、女性は投与直後に血圧が急上昇し、その後血圧は下がり、呼吸が停止し死亡が確認された事案を発表しました。
病院は、死因が敗血症性ショックで、血圧上昇に伴う脳出血や不整脈がなかったことから投与ミスと死亡に直接的な因果関係がなく、医療事故でないから事故報告、事故調査は行わない、とのことです。
NHK「八幡総合病院で投薬ミスその後患者死亡 病院“因果関係ない”」(2025年9月1日)ご参照
血管拡張に伴う相対的血管内容量減少によるショックに対し血管収縮薬を投与するのは理にかなっています。ノルアドレナリンは敗血性ショックに用いられる血管収縮薬の第一選択です。もっとも心機能障害を合併しているときはどうするのかという問題はありますが。
当該事案でどうだったかはわかりませんが、一般論としては90代の急性腸炎・敗血症の患者が投薬ミスがなければ亡くならなかったという立証は難しいように思います。ただ投与1時間後の死亡ですから全く無関係であると言いきるのも難しいかもしれません。医療事故調査の目的は事故の再発防止であってミスの再発防止ではないとすれば、因果関係を否定している病院が事故調査を行うことはないことになります。
事故調査の点はおいても、緊急時の投薬指示のありかたは改善する必要があるように思います。
谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
↓


病院は、死因が敗血症性ショックで、血圧上昇に伴う脳出血や不整脈がなかったことから投与ミスと死亡に直接的な因果関係がなく、医療事故でないから事故報告、事故調査は行わない、とのことです。
NHK「八幡総合病院で投薬ミスその後患者死亡 病院“因果関係ない”」(2025年9月1日)ご参照
血管拡張に伴う相対的血管内容量減少によるショックに対し血管収縮薬を投与するのは理にかなっています。ノルアドレナリンは敗血性ショックに用いられる血管収縮薬の第一選択です。もっとも心機能障害を合併しているときはどうするのかという問題はありますが。
当該事案でどうだったかはわかりませんが、一般論としては90代の急性腸炎・敗血症の患者が投薬ミスがなければ亡くならなかったという立証は難しいように思います。ただ投与1時間後の死亡ですから全く無関係であると言いきるのも難しいかもしれません。医療事故調査の目的は事故の再発防止であってミスの再発防止ではないとすれば、因果関係を否定している病院が事故調査を行うことはないことになります。
事故調査の点はおいても、緊急時の投薬指示のありかたは改善する必要があるように思います。
谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
↓

by medical-law
| 2025-09-05 00:57
| 医療事故・医療裁判

