医療費年間4兆円以上削削減による医療崩壊の危機
自由民主党・日本維新の会連立政権合意書に次のとおり記載されています。
「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し、金融所得の反映などの応能負担の徹底等 、令和七年通常国会で締結したいわゆる「医療法に関する三党合意書」及び「骨太方針に関する三党合意書」に記載されている医療制度改革の具体的な制度設計を令和七年度中に実現しつつ、社会保障全体の改革を推進することで、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す。」
現役世代の保険料率引き下げのために国民医療費の総額を年間で4兆円以上削減するとは書かれていませんが、現役世代の保険料率を引き下げていくことを目指すとは、医療費の削減と裏表の関係にあります。現役世代と高齢者という二項対立構造に単純化するのは違うと思うのですが。
維新の政策は次のとおりです。
「国民医療費の総額を年間で4兆円以上削減する。これにより、年間1兆円の急速な増加傾向を止め、その後のさらなる改革へと繋げていくことで、増加傾向から現状維持へ、現状維持から減少傾向へと段階的に軌道を変えていく。当初の4兆円以上の国民医療費の削減分については、現役世代から高齢世代への仕送りとなっている後期高齢者支援金等の削減に中心的に充てることで、現役世代一人当たり年間6万円の社会保険料を引き下げる。また、その後も改革を進めていくことにより、この数字をさらに大きくしていく。」(「社会保険料を下げる改革提言」より)
4兆円は現在の医療費の約1割にあたります。4兆円削減のためにどこをどのように削るのか具体的な内容は示されていませんが、4兆円の規模を考えると削られるのは不必要な医療行為だけではなさそうです。
本当に4兆円以上の医療費が削減されれば、患者に必要な医療が提供されず、病院経営が成り立たなくなる危険すらあるように思います。患者側と医療側という二項対立思考は過ちを導くように思います。相対適応違反の医療行為が行われているのも大きな問題です(現在訴訟中の事案には相対適応がないと考えられる事案が結構あります)が、適応と必要がある医療が提供されなくなるのも問題です。
OTCと同じ薬の保険外しと11万床削減にはずみがつくことはまちがいないでしょう。
谷直樹
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