弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 10月 13日 ( 2 )

ベンゾジアゼピン系薬の認知症リスクは5年で1.60倍(仏研究)Benzodiazepine use and risk of dementia

ボルドー第2大学のAntoine Pariente准教授らは、9月27日付の英医学誌「BMJ」(電子版)に 「Benzodiazepine use and risk of dementia: prospective population based study」を発表しました.65歳以上の「PAQUID」(フランス南西部ジロンド県およびドルドーニュ県の住民)を対象に追跡調査した結果,追跡後5年で認知症リスクが1.60倍,過去に服用していた人でも認知症リスクが1.56倍,という内容です.

あなたの健康百科「睡眠薬や抗不安薬で高齢者の認知症リスク上昇 仏研究」(2012年10月4日)は,次のとおり伝えました.

「追跡から5年の時点で認知症を発症していたのは、服用群は29人、非服用群は211人。年齢や性別、教育期間、他の薬剤服用、登録時から3年後の認知機能テスト(MMSE)のスコア低下で補正した結果、非服用群に対する服用群の認知症リスクは1.60倍だった。これは、抑うつ症状で補正してもリスクは1.62倍と高いままだったという。

 さらに、登録から8年、10年、13年、15年の各時点の評価を含めた解析でも認知症リスクは1.46倍、登録から8年目以降に認知症と診断された467人と認知症でない1,810人を比べた研究でも、ベンゾジアゼピン系薬を常用していた人の認知症リスクは1.55倍だった。特に注目されるのは、過去に服用していた人でもリスクが1.56倍だった点だ。

 以上のように、ベンゾジアゼピン系薬服用前の認知症の前段階症状などを除外しても、認知症発症に関連していたことなどから、Pariente氏らは同薬が無差別に拡大処方されるべきでないとして注意を促した。」


ベンゾジアゼピン系薬はGABAA受容体と結合し,チャネルの(開口時間ではなく)開口頻度を増加させます.
睡眠薬のほとんどがベンゾジアゼピン系です.
超短時間型は,トリアゾラム(ハルシオン),ゾビクロン(アモバン),酒石酸ゾルピデム(マイスリー),短時間型は,ブロチゾラム(レンドルミン),エチゾラム(デパス),リルマザボン(リスミー),ロラネタゼパム(ロラメット)中間型は,フルニトラゼパム(サイレース),ニトラゼパム(ベンザリン),ニメタゼパム(エリミン),エスタゾラム(ユーロジン),長時間型は,フルラゼパム(ベノジール),ハロキサゾラム(ソメリン)などです.
抗不安薬,抗てんかん薬としても使用されています.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-13 20:59 | 医療

チョコレートとノーベル賞

ニューヨークの医師フランツ・メッサーリ氏が,23カ国のチョコレート摂取量とノーベル賞受賞者数の人口比を調べたところ,相関関係があった,とのことでです.

ロイター「チョコ摂取量多い国、ノーベル賞輩出の確率高まる=研究」(2012年10月11日)は,次のとおり報じました.

「チョコレート消費量が多い国ほど、ノーベル賞受賞者を輩出する確率が高い――。こんな研究結果が医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された。」

「最も相関関係が見られたのはスイスで、スウェーデン、デンマークがそれに続く。スイス出身のメッサーリ医師は「スイス人は平均で、1本当たり85グラムのチョコバーを年間120本食べる」と話す。同医師はこの研究をばかげているとしながらも、データは合理的だとしている。

また、2001年にノーベル物理学賞を共同受賞した米国人物理学者のエリック・コーネル氏は、チョコレート消費量は国の富に関連し、質の高い研究も国の富に関連すると指摘。ゆえに、「チョコレート消費量と質の高い研究に関連性があると言えるだろう。ただし、直接的な因果関係はないが」と付け加えた。」


ちなみに,ノーベル賞受賞者数ランキング,チョコレート消費量ランキング,国民総所得(GNI)ランキングは,次のとおりです.

ノーベル賞受賞者数(1901~2008年)ランキング
1位 アメリカ
2位 イギリス
3位 ドイツ
4位 フランス
5位 スウェーデン
6位 スイス
7位 旧ソ連
8位 日本
9位 オランダ
10位 イタリア
11位 デンマーク

国民1人あたりチョコレート消費量(2009年)ランキング
1位 ルーマニア
2位 ドイツ
3位 イギリス
4位 スイス
5位 ノルウェー
6位 デンマーク
7位 フィンランド
8位 フランス
9位 スウェーデン
10位 アメリカ

ちなみに日本は22位です.

WHOの国民総所得(GNI)ランキング(2010年)
1位 ルクセンブルク
2位 ノルウェー
3位 シンガポール
4位 スイス
5位 アメリカ
6位 オランダ
7位 デンマーク
8位 オーストリア
9位 スウェーデン
10位 カナダ

ちなみに日本は15位です.


メッサーリ氏の出身国スイスは6位,4位,4位です.
スウェーデン5位,9位,9位で,デンマークは,11位,6位,7位で,上位に入っています.

ノーベル賞受賞者数は長期間の集計で,国民1人あたりではありませんし,他のランキングは単年度のものですので,単純に比較はできませんが,チョコレート消費量1位のルーマニア,5位のノルウェー,7位のフィンランドがノーベル賞受賞者数上位に入っていませんし,チョコレート消費量との関連性はどうなんでしょうね.

日本は,国民総所得やチョコレート消費量(?)のわりには,ノーベル賞では健闘している,と言えるでしょう.

なお,私は,賞には全く縁がないですが,チョコレートは大好きです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-13 09:15 | 休暇・休日