弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 10月 25日 ( 2 )

カナダの研究,Night Work and the Risk of Cancer Among Men夜勤をしている男性の発がんリスク

あなたの健康百科「夜勤者のがんリスク、未経験者の2~3倍 男性対象のカナダ研究」(2012年10月24日)は,次のとおり,伝えています.

「カナダ・ケベック大学州立科学研究所のMarie-Élise Parent氏らは、男性を対象にした研究から、夜勤はこれまで指摘されていた以外のがんの発症とも関連すると、10月3日発行の米医学誌「American Journal of Epidemiology」に発表した。夜勤をしている男性では、夜勤未経験の男性に比べてがんリスクが2~3倍高かったという。」
「夜間に光にさらされると、夜間に濃度がピークに達するはずのメラトニン(睡眠に関係するホルモン)の分泌が抑制されてしまう。メラトニンの抑制は概日リズム(サーカディアンリズム)や生殖ホルモンなどを障害するほか、がん発症に影響を及ぼすことが指摘されている。」

Am J Epidemiol. 2012 Oct 3に掲載された「Night Work and the Risk of Cancer Among Men」をみると,胃がん,食道がん,腎臓がん,メラノーマでは,有意差がなかったものの,前立腺がん等のリスクは以下のとおりでした。

prostate cance前立腺がん2.77 (95% CI: 1.96, 3.92)
non-Hodgkin's lymphoma非ホジキンリンパ腫2.31 (95% CI: 1.48, 3.61)
rectal cancer膵臓がん2.27 (95% CI: 1.24, 4.15)
rectal cancer直腸がん2.09 (95% CI: 1.40, 3.14)
colon cancer結腸がん2.03 (95% CI: 1.43, 2.89)
lung cancer肺がん1.76 (95% CI: 1.25, 2.47)
bladder cancer膀胱がん1.74 (95% CI: 1.22, 2.49)


この数字をみると,夜更かしは避けたいという気持ちになります.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-25 09:56 | 医療

森口尚史氏のiPS治療問題に医療ジャーナリストがコメント

週プレNEWS 「iPS治療だけじゃない! 医療業界にはびこる“研究ロンダリング”の実態」(2012年10月24日)で,医療ジャーナリストがコメントしていました.

医療ジャーナリストで写真家の伊藤隼也氏は,次のとおりコメントしました.

「森口氏に問題があるのは言うまでもありませんが、メディアの報道姿勢もおかしい。そもそも騒動の発端は、彼の荒唐無稽な話を読売新聞が1面で大きく報道したこと。読売だけでなく、大手各紙が過去に彼の話だけを鵜呑みにして記事を書いてきた。今回もきちんと検証報道をしていれば、すぐに嘘だとわかるケース。そこをまず反省すべきだと思います」
「特任研究員というのはいわばパートタイマーのようなもので、組織や研究チームの責任者にとって都合のいい人物が任命されるケースもある。その結果として、彼のようにムチャクチャな人が医療研究の現場にはいくらでもいるんです」(
「大雑把に言うと、研究費を取得したいから。リスクを冒してまでデータの改竄や論文の捏造をするのは、実体以上に自分や組織の成果を大きく見せるため。そうすれば、しかるべきところからお金が落ちてきますから」


医療ジャーナリストで医学博士の森田豊氏は,次のとおりコメントしました.

「共同研究者と認めていて、組織のボスがその研究の中身を知らなかったというのはおかしい。仮に共同研究者および所属している研究チームが論文や学会発表を増やすためだけに名前を貸していただけだとすれば、無責任な話です。結局、研究の現場でも、その研究が正しいかどうか、間違った方向にいっていないか、信頼性に富んでいるかどうか、チェックする機能が働いていないということ。今の日本の研究現場システムを変えないかぎり、同じことが繰り返される可能性はあります」

ときどき報じられる論文データ捏造問題などには,このような土壌があるのですね.
なお,森口尚史氏は,イレッサ研究にも関与し,「業績」を残しているそうです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-25 02:51 | 医療