弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 10月 26日 ( 2 )

長崎市の病院,人工呼吸器の部品を逆向きに装着し約15分間無酸素状態で意識不明に(報道)

日テレニュース「人工呼吸器の装着ミス…男性が意識不明」(2012年10月26日)は,次のとおり報じています.

「長崎市の市立病院で医療事故です。人工呼吸器の装着ミスで救急搬送された男性が意識不明となっていることがわかりました。

意識不明となっているのは、長崎市の80代の男性です。男性は10月21日の朝、急性心不全の疑いで市立病院に救急搬送され、心臓に管を入れて行う心臓カテーテルの検査を受けました。その際、医師と看護師が人工呼吸器を装着しましたが、部品を逆にし、酸素が行きとどかないまま、およそ15分間処置をしていました。男性は一時、心肺停止の状態となり、現在は集中治療室で意識不明のまま治療を受けています。市立病院は男性の意識の回復に向けた治療と再発防止に向け、さらに事故の詳しい調査を行う方針です。」


人工呼吸器の部品を逆向きに装着しないように部品の向きを確認するという注意義務があります.
2004年にも菊名記念病院で人工呼吸器の部品を逆向きに接続し,患者が死亡した事故がおきています.人は同じ過ちを繰り返しますので,再発防止策が大事と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-26 22:18 | 医療事故・医療裁判

フジテレビ「とくダネ!」医療事故隠しを伝える

フジテレビ「とくダネ!」で,江戸川区の病院の事件が取り上げられました.実は「とくダネ!」には早い時期に別に内部告発があり,1年近くも取材していたそうです.

JCAST「医療ミス「認めぬ○○病院、逃げ回る医師」内部告発で火葬直前に警察解剖」(2012年10月25日)は,次のとおり伝えています.

カテーテル抜去数分後に倒れ死去―執刀医は「よくあること」

死亡したのは60代の男性で、重度の腎不全で昨年10月29日に妹をドナーに腎移植手術を受けた。11月3日に医師がカテーテルを抜いた直後に心肺停止状態となり7日に死亡した。家族によると、手術の経過はよく、男性がベッドに座って家族と話をしていたとき、執刀の医師が来て首についていた透析カテーテルを抜いた。男性はその数分後に倒れ込み、心臓マッサージなどをしたが回復しなかった。医師は家族に「よくあること」といっていたという。

死亡診断書には「肺梗塞」とあったが、原因は空欄だった。遺族は患者の最後の様子から「医療ミスではないか」と主治医に聞いたが、「医療事故なんかじゃありません」と否定され、そのまま解剖もせず火葬に回された。

ところがその直前、匿名で「医療事故です。いますぐ警察に司法解剖を依頼してください」と遺族に通報があって、火葬を中止して警察に知らせた。解剖の結果は肺動脈空気塞栓症。血管に空気が入って毛細血管に達すると、血流が止まり肺組織が壊死する。これが「肺梗塞」で病院の死因と同じだったが、解剖では原因は「カテーテルの抜去」とされた。」

専門家によると、カテーテルは太いので空気の流入を避けるため、通常は座ったままでは行なわないという。医療ミスが疑われるケースだが、取材に病院は一切答えなかった。主治医も答えず、いまは鹿児島にいる執刀の医師(カテーテルを抜いた)も電話に「不適切ではなかった」とだけしかいわない。」


透析カテーテルを座位で抜去→血管に空気が入り血流が止まり肺組織が壊死(肺梗塞)→死亡,という事態になったのです.これを,「よくあること」,「医療事故なんかじゃありません」,「不適切ではなかった」という医師はどうなんでしょう.

○○病院は,院内での密告者探しが行なわれて,電子カルテを開いた記録を洗ったりした,」とのことです.

司会の小倉智昭氏と療ジャーナリストの伊藤隼也氏は,次のとおりコメントしました.

「小倉氏 「カテーテルの抜き方に問題があったわけですよね」
伊藤氏「重力がありますから寝かして慎重に抜くのが基本。委員会も構成メンバーに問題があったり、当の医師が出て来ていないとか。守秘義務を振りかざしたりもしている」
小倉氏「しかも(内部告発の)犯人探しをしてる」
伊藤氏「ミスを認めて改善するという常識がない。告発の電話がなければ、お葬式して終わりだった」」


表面化していないだけで,このような医療事故がさらに隠れている可能性を感じます.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-26 03:13 | 医療事故・医療裁判