弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 02月 15日 ( 3 )

横浜弁護士会,横浜拘置所と横浜刑務所に対し人権侵害があったと改善勧告

横浜弁護士会,横浜拘置所と横浜刑務所に対し人権侵害があったと改善勧告  _b0206085_11161462.jpg神奈川新聞「受刑者らに人権侵害、弁護士会が横浜刑務所と拘置所に改善勧告」(2013年2月15日)は,次のとおり報じました.

 「横浜弁護士会(木村保夫会長)は14日までに、横浜拘置所に勾留されていた女性と横浜刑務所の男性受刑者に人権侵害があったとして、同拘置所と同刑務所に対し、改善を勧告した。

 勧告書などによると、女性は拘置所で午前と午後にそれぞれ15分ずつ行われる室内運動の際、立ち上がって運動することを制限され、腰痛を負った。拘置所は「騒音を発したり、別の収容者から苦情が出たりする恐れがあるため」と説明したが、弁護士会は「不当に制限することは許されない」として、制限しないよう求めた。

 男性受刑者は椎間板ヘルニアを患っていたが、2011年4月から12年7月までの間、「痛みの軽減措置を検討せず、放置するなど適切な医療措置が取られなかった」と結論付け、適切な治療を行うよう勧告した。

 横浜刑務所の伊藤譲二所長は「内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。」


受刑者らにも医療を受ける権利があります.
実効的な改善措置がとられることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-15 08:12 | 弁護士会

全国腎臓病協議会,重度の認知症で判断能力を失った場合透析を続けたいかアンケート調査

全国腎臓病協議会,重度の認知症で判断能力を失った場合透析を続けたいかアンケート調査_b0206085_1135294.jpgNHK「透析 3割“重い認知症で中止を”」(2013年2月15日)は,次のとおり報じました.

「腎臓病などで人工透析を受けている患者の3割が、将来重い認知症になったときには透析の中止を望んでいることが、医師や患者の団体の調査で分かりました。
調査を行った専門家は「高齢の透析患者は増えており、本人の希望が尊重されるような仕組みを整備する必要がある」と指摘しています。

この調査は、腎臓病の患者らで作る「全国腎臓病協議会」が昨年度行ったもので、全国の透析患者7784人が回答しました。
この中で、重度の認知症で判断能力を失った場合、透析を続けるかどうか聞いたところ、「続けたい」と答えた人は33%、「中止したい」は30%、「希望はない」は32%でした。
年齢別では、30代から50代までは、中止を希望する人が続けたいと答えた人を上回りましたが、60代以上では、続けたいと答えた人が上回りました。
高齢者の透析を巡っては、日本透析医学会が先月、患者に判断能力があるうちに、終末期の治療について希望を書いてもらい、医師はそれを尊重すべきだという提言案をまとめています。
調査を行った杉崎弘章医師は、「中止を希望する患者が3割というのは少なくないが、現状では、法的な問題もあり、簡単には中止できない。高齢の透析患者は増えており、本人の判断が尊重されるような仕組みを整備する必要がある」と話しています。」


ニュースのタイトルは,「中止したい」に焦点をあてていますが,
重度の認知症で判断能力を失った場合,「透析を続けたい」が33%,「中止したい」が30%と,全体で「透析を続けたい」のほうが多く,しかも60代以上ではさらに「透析を続けたい」が多い,という結果です.
現在,患者本人の判断能力が失われると中止できず,判断能力が失われる前の患者本人の意思が重要となりますが,年齢が上がるにつれ「透析を続けたい」が多くなるという調査結果は,患者本人の意思確認が容易ではないことを示している,と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-15 07:21 | 医療

喫煙者の脳に磁場をあてて強制的に禁煙させる?

喫煙者の脳に磁場をあてて強制的に禁煙させる?_b0206085_11272430.jpg日本経済新聞「脳に磁場をあてて強制的に禁煙させる技術を理研が開発」(2013年2月13日)は,次のとおり報じました.

「理化学研究所とカナダのマギル大学の研究チームが、タバコを吸いたいという衝動をもたらす脳の部位を絞りこみ、その部分へ磁場をあてることで喫煙欲求を抑えることに成功しました。この成果を応用することで薬物やアルコールなどの依存症に対する新たな解決策になるかもしれないとのことです。」

理化学研究所のプレスリリース「タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見-薬物依存の発症メカニズム解明に期待-」(2013年1月29日)によれば,ポイントは,次の3点です.

・大脳前頭前野の2つの部位の連携が、喫煙欲求を形成する

・喫煙可能性の状況判断は背外側前頭前野が、喫煙欲求そのものは眼窩前頭皮質が形成

・2つの部位の連携強化が薬物依存症に関わる可能性があり、新治療法の開発に期待


「研究チームは、まず喫煙可・不可の状況を実験的に作り、視覚刺激による喫煙欲求に関わる脳の活性化部位を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べました。その結果、喫煙欲求の強さでは「眼窩(がんか)前頭皮質」(前頭前野の腹内側部)が、喫煙可能状況に応じた喫煙欲求の促進では「背外側前頭前野」(前頭前野の背外側面)が関わっていることが分かりました。さらに、背外側前頭前野の活動を経頭蓋磁気刺激法(TMS)で人工的に抑制すると、喫煙可・不可の状況に依存した眼窩前頭皮質の活動、つまり喫煙欲求の変化が見られなくなることを発見しました。

これにより、前頭前野での喫煙欲求の処理が、腹側と背側の神経ネットワークの連携によって行われていることが分かりました。このネットワークの強化がタバコや薬物依存症の原因の1つと考えられ、今後、依存症の理解と有効な治療法の開発につながるものと期待できます。」


脳に磁場をあてて強制的に禁煙させる技術も怖ろしいですが,タバコによりニコチン依存にさせ強制的に喫煙欲求を起こさせるタバコ会社の技術も怖ろしいと思います.また,強制的に喫煙欲求を起こさせられている人たちに,強制的に喫煙欲求を起こさせられていると気づかせない技術もさらにいっそう怖ろしいです.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-15 00:45 | タバコ