弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 05月 05日 ( 1 )

ノバルティス ファーマ,「バルサルタンの医師主導臨床研究について」

◆ 論文撤回にいたるいきさつ

京都府立医科大学の××××元教授(循環器内科)は,欧州心臓病学会誌に降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン®)が脳卒中や狭心症などのリスクも下げる効果があると発表し,日本循環器学会誌に心臓肥大や糖尿病の患者にも同様の効果があると発表しました.バルサルタンは,ナンバーワン商品となりました.
京都府立医科大学学内調査委員会ではデータ捏造等の事実はなく問題なしとされましたが,欧州心臓病学会誌と日本循環器学会誌は,昨年末から今年にかけて,データ解析の誤りを理由に掲載論文を撤回しました.
ノバルティスが京都府立医大に1億440万円を寄付し,ノバルティスの社員が上記論文の統計解析を担当していたことが報じられました.

◆ 他大学の研究にもノバルティスファーマの社員が関与 

東京慈恵会医大の研究にも,ノバルティスファーマの社員が関与していました.
さらに,京都府立医大と東京慈恵会医大以外にも,千葉大,滋賀医大,名古屋大の同様の研究にもノバルティスファーマの社員が関与していたことが判明しました.

毎日新聞「降圧剤論文:他の試験にも社員関与 滋賀医大など3大学」(2013年5月2日)は,次のとおり報じました.

「降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡る京都府立医大の論文撤回問題に関連し、千葉大と滋賀医大、名古屋大の各研究チームによっても類似の試験が行われ、薬の販売元の「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が試験に関係していたことが分かった。会社側が取材に明らかにした。滋賀医大は論文の信頼性に関する内部調査を始めた。

 京都府立医大と東京慈恵会医大の試験にも同じ社員が統計の専門家として関わったことが明らかになっており、両大学は既に調査を始めている。この薬の試験を巡っては、社員の関与に問題がなかったかについて関係学会が注目している。

 各大学の論文は、▽糖尿病を伴う高血圧患者への効果(滋賀医大、07年)▽心・腎臓保護作用の効果(千葉大、10年)▽血糖値を下げる能力が低い高血圧患者への効果(名古屋大、12年)。滋賀医大は取材に「論文に問題がなかったか予備的に調査する」と回答。千葉大と名古屋大は現段階での調査の予定はないという。

 昨年、名古屋大を除く4大学の試験結果について、専門家から「統計的な疑義がある」との指摘が出ていた。【河内敏康、八田浩輔】」


◆ ノバルティス ファーマの発表

このような事態をうけて,ノバルティス ファーマは,2013年5月4日,「バルサルタンの医師主導臨床研究について」を発表しました.

「報道では、バルサルタンの承認後に日本で実施された医師主導臨床研究に関連して、ノバルティスの社員が試験に関わった可能性があることや、その社員がノバルティスの社員であることを開示していなかったことなどが指摘されています。

ノバルティスでは、このような指摘を非常に深刻に受けとめて、2001年から2004年の間に開始されたバルサルタンの医師主導臨床研究に関連する指摘を検証するために、第三者である外部専門家による包括的な調査を開始しました。

ノバルティスは、第三者である外部専門家の調査結果を真摯に検討し、必要に応じて適切な措置を講じます。

ノバルティスでは、社員全員が会社の行動規範に従うよう、厳格なルールを定めています。この行動規範は、常に専門家として倫理的で正しい行動を取ること、および正しい業界ルールに従って行動を取ることを定めており、ノバルティスグループ企業では、全世界ですべての従業員に対して雇用条件として義務付けています。

ノバルティスは、業務のあらゆる場面において、倫理的な業務遂行と規制遵守に対し高い基準で取り組んでいます。また、ノバルティスの行動規範は、ヘルスケアビジネスおよび法令その他の規制の変化に応じて改訂し更新されています。

これらの日本で実施されたバルサルタンの医師主導臨床研究の結果は、バルサルタンの承認申請の資料としては使用されておりません。」


◆ 連邦地検がノバルティスを連続提訴

この不祥事は,バルサルタンの医師主導臨床研究についてだけの一部の社員による偶発的出来事なのでしょうか.

WSJ日本版「米連邦地検がノバルティスを提訴、医師へのリベート・接待で」(2013年 4月 30日)は,次のとおり報じました.

 「スイスの製薬大手ノバルティス(NYSE:NVS)は、米国全土での教育プログラムで医師に講演してもらうために資金を使ったと語ったが、米連邦地検はそうした講演の多くがカジュアルレストラン「フーターズ」(注:露出度の多いウェイトレスで有名)で開かれたと主張している。

 そうした医師らとの宴会や視察旅行は、ニューヨーク州マンハッタンの連邦地裁に26日に提起された民事詐欺訴訟で連邦検察当局の追及対象となっている。

 検察当局はノバルティスの米国部門は、高血圧症などの病状を治療する一部のブランド医薬品の処方を促すため、リベートを支払ったほか、医師に豪華なディナーを提供したと主張している。

 検察当局によると、こうした勧誘行為はフロリダの沖合の魚釣り旅行やニューヨークのレストラン「ノブ」での会食、米国全土でのフーターズでの食事が含まれた。これ以外に、アラスカの鮭釣りロッジで講演した医師に750ドルが支払われたという。

 当局は漁船では「いかなる講演をすることも実質不可能なはずだ」と述べた。

 当局によるノバルティス米国部門のリベートの支払いをめぐる民事訴訟の提起はこの1週間で2件目となる。

 ノバルティスは、連邦地検の主張に反論している。電子メールの声明で26日に「この訴訟で争う意向」を示し、医師の講演プログラムは「業界で受け入れられている慣習だ」と指摘した。」


ノバルティスファーマは,インターナショナル・アライアンスが実施した「日本で最も賞賛される製薬企業2012」では,武田薬品と並んでトップになっていますし,「日経WOMAN」が実施した「企業の女性活用度調査」では,4位にはいっています.ノバルティスファーマがブラックな企業というわけげはないようです.
データ解析についてはおいても,リベート・接待が製薬業界で受け入れられている慣習というのは,事実なのでしょうか.

【追記】

ノバルティスは2013年5月22日「バルサルタンの医師主導臨床研究について」を発表し,以下のとおり,以前同社が発表したKYOTO HEART studyにおける同社社員の関与についての見解が事実と相違したものであることを認めました.

最近、バルサルタンの承認後に日本で実施された医師主導臨床研究について報道されております。医師主導臨床研究は、医師による独立した運営委員会が企画、設計し、実施するもので、研究や科学的な理解に多大な貢献を果たしています。ノバルティスは、医師主導臨床研究がこのような形で実施され、研究結果が信頼できる確実なもので、かつ独立性が保たれたものとなることが極めて重要であると信じています。

報道では、バルサルタンの承認後に日本で実施された医師主導臨床研究に関連して、当社の元社員が試験に関わった可能性があることや、その元社員が当時当社の社員であることを開示していなかったことなどが指摘されています。

ノバルティスは、これらを極めて深刻に受けとめ、日本で2001年から2004年の間に開始されたバルサルタンの医師主導臨床研究について、第三者である外部専門家による包括的な調査を4月に開始しました。

このほど、関連する学会および当該研究を行った方々などに対して、これまでの調査にもとづく現状を報告しました。 主な内容は以下の通りです。

● 一人の元社員(以降「当元社員」)は、度合はそれぞれ異なるものの、5つのバルサルタンの医師主導臨床研究にかかわっていました。また、当元社員の部下である別の元社員も、そのうちの1つの研究に関係していました。全貌の解明にはまだ調査が必要ですが、これまでに以下のことが判明しました。
○ 国内におけるバルサルタンの医師主導臨床研究の論文数本に、当元社員が当社社員であることの開示がなされないまま謝辞中に記載されていました。当元社員は、自分が当社の社員であるということを表記するように、それらの論文の著者に対して要請しなければならなかったということを、当社は認めます。
○ 当元社員が、いくつかの研究でデータの解析にもかかわっていたことが判明しました。これまでの調査で、意図的なデータの操作や改ざんに導いたことを示すものは判明していません。研究者や研究機関が、適切な方法でそれぞれの研究結果を検証する際には、当社はできるかぎり協力します。このような検証を実施することで、当社の外部専門家による調査の結論の精度が高まると考えるからです。
○ これら5つのバルサルタンの医師主導臨床研究に当元社員を関与させるという明確な戦略が当時当社にあったとは特定できていません。しかしながら、一方で、当時の上司の中には、当元社員のこれらの研究へのかかわりを認識し、支援していた者がいたことが判明しています。彼らは、企業の社員であっても、保有する研究者としての肩書の立場で臨床研究を支援するならば、利益相反の問題を生じないと信じていました。なお、現時点では、当時の上司が、これらの研究の発表論文において当元社員の所属の開示が不十分であったことを知っていた、もしくは、承認していたことを示すものはありません。
○ これらの研究を実施していた研究者の中には、当元社員が当社の社員であることを知っていた研究者がいたことが調査の中で確認されています。その一方で、当元社員のこれらの研究への関与内容は、現在のノバルティスの行動規範や医師主導臨床研究の基本原則に鑑みれば、不適切なものでした。
● 当元社員は当時、大阪市立大学の非常勤講師であり、臨床研究に関わる活動と会社の業務を隔てる手立てを講ずれば、臨床研究に携わることができると誤って理解していました。当時、当元社員だけでなく、上司や研究者においても、同様の誤解をしていた人たちがいたと考えています。

最新の調査によれば、以前当社が発表したKYOTO HEART studyにおける当社社員の関与についての見解が事実と相違したものであることが判明しました。以前に発表した見解は、その時点での調査や認識に基づくものでした。本報告にて訂正し、お詫びいたします。」


【再追記】

公益社団法人日本医師会は,平成25年5月29日,「バルサルタン論文不正問題疑惑に対する日本医師会の見解」を発表しました.

「臨床研究には、高い倫理性と公正性が求められている。臨床現場の医師は、研究成果を踏まえて医薬品を使用しており、これに疑念が生じている
ことは、患者の健康にも多大な影響を与えかねないことが懸念される由々しき問題である。
また本件は、利益相反にとどまらず、国民の医薬品ひいては医療への信頼を失墜しかねない重要な問題であると認識している。また、疑惑のある薬に対して、国民は実際に服用し、保険料や窓口負担等で賄われている医療費から多額の支出(平成24年売上:約1100億円)もなされていることを極めて重く受け止めなければならない。

さらに、日本の医学・医療に対して、海外からも疑惑を持たれていることは、高いレベルの医学研究、医療を行っており、今後、成長戦略として位置づける日本発の医薬品の国際的な信用にとっても大きなマイナスであり、誠に遺憾である。
ノバルティスファーマ株式会社は、日本医学会等への報告をしたとのことであるが、本件の事実関係について、広く医師、患者、国民に対して早急に説明責任を果たすべきである。
医療の提供は非営利、透明性が徹底されるべきであり、患者の生命・健康、国民の医療に対する信頼を守るためには、医薬品・医療機器産業においても、他の業種に比して高度な倫理性が要求される。本件は、その研究成果が販売促進に利用されていたとのことであるが、製薬企業等が不正、あるいは公正性を欠くような関与をすることは断固として認められない。
ノバルティスファーマ株式会社には、襟を正した対応が求められる。
さらに、厚生労働省においては、田村厚生労働大臣が発言したように、国民の医療を守り、医薬品の研究開発や国民皆保険を所管する立場から、関係企業等に対する指導・監督を適切に行うべきである。
日本医師会は、臨床研究が国民から不信感を抱かれることのないよう関係各大学及び各学会に対し、自浄作用の下に第三者の参画も得て対応することを求めるとともに、臨床研究に携わる医師に対しては、高い倫理性の下で、厚生労働省が示している「臨床研究に関する倫理指針」の更なる遵守を求めるなどの対応をしていきたい。
また、本件について、会員医師に対する正しい情報の提供に努めていきたい。」


【再々追記】
ノバルティス ファーマ株式会社は,2013年6月3日「バルサルタンの医師主導臨床研究における利益相反の問題に対するお詫びと対応について」を発表しました.

「バルサルタンの医師主導臨床研究における利益相反の問題に対するお詫びと対応について

ノバルティス ファーマ株式会社は、日本で2001年から2004年の間に開始されたバルサルタンの5つの医師主導臨床研究に、当社元社員がかかわり、かつ、研究論文に開示が適切になされなかったことにより、日本の医師主導臨床研究の信頼性を揺るがしかねない事態を生じさせたことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。

当社のこれまでの調査によれば、元社員は、研究によってはデータの解析などにかかわっていたことが判明しましたが、データの意図的な操作や改ざんを示す事実はありませんでした。また、バルサルタンの医師主導臨床研究の論文に元社員が当社の所属であることが表記されていなかったことについて、当社は、著者に対して適切に訂正を申し出ておりませんでした。これは、利益相反の観点から不適切でした。

また、利益相反の開示が不適切であることを認識できずに、5つの医師主導臨床研究の論文を引用してプロモーションを行ってきたことにつきましても、心よりお詫び申し上げます。

外部の専門家による調査は継続しておりますが、その結果を待たずともすでに明らかとなった事実を重く受け止め、当社の社会的、道義的責任を果たすためにも早急に再発防止に取り組むことといたしました。

これまでの調査で判明した問題点とその原因
(1) 利益相反および医師主導臨床研究に対する理解不足:
これらの臨床研究が開始された2001年から2004年当時、医師主導臨床研究における利益相反を明確に規定したガイドラインがありませんでした。このため、元社員およびその上司は、製薬企業の社員の医師主導臨床研究に対するかかわり方について理解が不足しておりました。さらに、当社の教育が不十分であったため、開示の在り方についても正しく理解していませんでした。
(2) プロモーション資材の審査プロセスの不備:
当社では、研究論文を引用したプロモーション資材は、社内審査委員会の承認を得なければいけない規則になっています。しかし、この委員会は、資材が薬事承認の範囲内であることの確認や、有効性と安全性の情報が適正に記載されていることなどについて厳正に審査しておりましたが、資材に用いる研究論文を当社との利益相反の観点からチェックする機能を有しておりませんでした。また、社員が臨床研究に関与していることを記録する仕組みもありませんでした。

当社の取り組み
(1) プロモーション資材の審査プロセスの厳格化:
プロモーション資材の審査委員会で利益相反についてもチェックができるようにするため、現行審査プロセスを厳格化します。また、こうしたプロセスの変更を速やかに社内研修教材に反映します。さらに、社員のアカデミアとの兼業や社外における研究活動をモニター及び記録する社内規定を制定し、潜在的利益相反の確認と適切な対応を徹底します。
(2) 社内教育の徹底とプロモーションの自粛:
社員に対して、利益相反、医師主導臨床研究に対する法令並びに社内基準、プロモーション、コンプライアンスに関する法令、ガイドライン、業界団体ルールおよび社内行動規範を徹底的に研修し、社員教育を行います。

このため、7月1日から5日まで、当社の全ての医療用医薬品に関するプロモーション活動を停止します(学会共催のセミナーを除く)。
(3) バルサルタン関連講演会の自粛:
2013年6月から8月までの3カ月間、バルサルタン関連の講演会を自粛します。
(4) 関係役員の報酬の減額:
医師主導臨床研究の信頼を揺るがす事態を生じさせたことで関係各位に多大なご迷惑をおかけし、バルサルタンを服用されている患者の皆様やそのご家族にご心配をおかけする事態をまねいたことを深く反省し、お詫びいたします。それらの意を表するため、当社代表取締役社長はじめ関係役員の月額報酬を2カ月間10%減額することを決定しました。

今回問題となった医師主導臨床研究は、バルサルタン(製品名:ディオバン®錠)の承認取得、あるいは添付文書の改訂には使われておりません。したがって、ディオバン錠の添付文書の情報に何ら変更はございません。本剤の有効性・安全性の評価に問題がないことについて患者の皆様やそのご家族、および医療従事者の皆様方のご理解を賜りたくお願い申し上げます。

当社は、日本における医師主導臨床研究の独立と信頼の重要性を改めて強く認識しております。高い倫理観と社会的責任が求められる製薬会社として、二度と同様の行為をおこさないよう徹底した対策を講じて、信頼を取り戻すよう全社を挙げて努力してまいります。

以上」


【再々々追記】

毎日新聞「降圧剤不正:京都府立医大会見「意図的操作」明言避け」(2013年7月11日)は,次のとおり報じました.


「日本で最も売れている医療用医薬品である降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床試験疑惑は11日、京都府立医大が初めて不正を認めたことで新たな局面に入った。データ操作は、誰が何のために行ったのか。販売元のノバルティスファーマ(東京)の社員(既に退職)はどう関与したのか。当の元社員は大学の聴取を拒んでおり、疑惑は深まるばかりだ。

 「今回の事態を招いたことを極めて重く受け止め、心からおわびします。関与した者の厳正な処分を行いたい」。この日、京都市内の京都府立医大で行われた記者会見で、吉川敏一学長は深々と頭を下げて陳謝した。

 報告書では、統計解析を担当した元社員や、研究を主導した松原弘明元教授(56)を含む複数の人物がデータ操作に関わることが可能だったとした。しかし、調査委員長の伏木信次副学長は「意図的な操作かどうかも含めて特定することはできなかった」と、明言を避け続けた。

 大学の問題点として「研究室には統計解析に通じた人材がおらず、製薬企業従業員の力を期待した点に問題があった」と指摘した。再発防止策として、統計の専門家を学内に配置するほか、製薬企業からの研究費の寄付や研究者の講演料の受け取り状況についてもホームページで公開するとした。薬を日常的に利用する患者などからの問い合わせに応じるため、近く大学病院内に専用相談窓口を設ける。

 厚生労働省研究開発振興課は「調査結果は、捏造(ねつぞう)や改ざんを強く示唆していると理解している。極めて遺憾な事態だ。具体的な責任は誰にあるのか、大学には引き続き調査を求める」(一瀬篤課長)とし、文部科学省と再発防止対策を協議する方針を示した。文科省ライフサイエンス課は「まだ詳しい情報が手元にない。事実関係がすべて出そろった段階で、文科省としてどんな対応ができるかを検討、判断する」(彦惣(ひこそう)俊吾専門官)と話した。

 医学系118学会が加盟する日本医学会の利益相反委員長、曽根三郎・徳島大名誉教授は「操作によって効果があったというのは捏造と言われても仕方がない。操作された結果を基に販売促進に利用したことは極めて悪質であり、再発防止のためにも企業は大学の調査に協力し、説明責任を果たすべきだ」と指摘する。【八田浩輔、野田武、五十嵐和大】




毎日新聞「<降圧剤不正>大学の任意調査に限界 疑惑の解明なお遠く」 (2013年7月12日)は,次のとおり報じました.

 「バルサルタンは昨年度、日本で最も売れた医療用医薬品で、1083億円を売り上げた。これは保険料として国民が負担してきたのに、売り上げを支えた論文の正当性は失われた。ノバルティスファーマには説明責任が求められる。

 府立医大の論文は、日本循環器学会の診療ガイドラインにも盛り込まれ、医療現場の医師たちの薬の選択に影響を与えてきた。このため、日本医師会の今村聡副会長は「論文が間違っていたなら、他の適切な治療を受ける患者の機会を不当に奪った恐れがある」と厳しく批判している。

 患者数が3000人規模の大規模な臨床試験には10億円以上の費用がかかるともいわれる。ノ社が研究チームや個々の研究者に資金提供をしていたことに関心が集まるが、府立医大は「調査中」として明らかにしなかった。ノ社も開示していない。

 府立医大は、肝心の統計解析をした元社員からは事情聴取できていない。「(ノ社に)既に退職しているとの理由から断られた」という。これに対し、ノ社は「元社員の強い意思だ」としており、大学による任意調査の限界を露呈した。疑惑の真相解明は容易ではない。【八田浩輔、河内敏康】」




谷直樹

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by medical-law | 2013-05-05 01:46 | 医療