弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 10月 17日 ( 6 )

タバコの危険性(受動喫煙を含む)は135年前からチャールズ・ドリスデール医師によって指摘されていました

WIRED NEWS「タバコの危険性は135年前から指摘されていた 」(2013年10月16日)は,次のとおり,伝えました.

「1878年にあるイギリス人医師が、タバコの害について警告を発していた。しかし、問題が真剣に取り上げられるまで80年以上待たねばならなかった。

1962年にイギリス王立内科医会(Royal College of Physicians)が『喫煙と健康』というリポートを発表したことが、医学史とタバコの歴史における転換点となった。すでにしばらく前から、医師たちは喫煙の習慣を憂慮していた。しかしイギリスのリポートによって、タバコとがんや気管支炎、さまざまな心臓脈管系疾患との関係が、詳細に調査され始めた。タバコを健康に対する脅威とみなさなければならないことはもはや明らかだったが、社会全体の関心が向けられるようになった。

2年後にはアメリカも同じ結論に達し、『喫煙と健康:アメリカ医務総監諮問委員会報告書(Smoking and Health: Report of the Advisory Committee to the Surgeon General of the United States)』が発表された。しかし喫煙の危険性は、その80年以上前から指摘されていた。

1878年9月25日、イギリスのMetropolitan Free Hospitalの医師、チャールズ・ドリスデールは、『Times』の編集者たちに、一通の手紙を送った。その中で彼は、喫煙習慣の危険性について注意を促していた。そして、彼が警告を発したのは初めてのことではなかった。彼は以前からこのために研究を行い、冊子を執筆していた。そしてこのとき、再挑戦して、警告的な内容の手紙を書いたのだ。

「噛んだり、嗅いだり、ふかしたりするタバコに含まれるアルカロイドは、極度に毒性が強い。タバコを噛む人は、少量のニコチンを吸収するが、これは非常に有害で、1本の葉巻に含まれるニコチンの量は(編注:不純物なしで摂取すれば、と冊子では説明している)、2人の人間を殺すことができるほどである。そして、喫煙者は唾液や口の粘膜からさまざまな有毒性のアルカリを少量吸収するが、これらもニコチンに劣らず生命にとって危険である」。

従ってドリスデールは、ニコチンについて指摘して、タバコを「非常に魅力的であると同時に健康にとって危険」なものにしている物質であると語りながら(エヴェレット・クープが1988年に注目することになるニコチンの依存効果も先取りして指摘していた)、タバコの煙の中には健康の害になる物質がほかにも存在することにも注意していた。彼が記述したタバコを吸う人、噛む人への影響は、声のかすれ、歯の黒ずみ、心臓の鼓動の異常、歯茎の腫れ、口の炎症、がんだ。

しかし彼は、受動的な喫煙も無害とは考えていなかった。彼はこう書いている。「バーのホールや喫煙室で待っている女性たちは、自分たちではタバコを吸わなくても、煙を絶えず吸い込むことによって起きる中毒から逃れることができない」。

歴史がわたしたちに教えているように、ドリスデールのような人物の発した警告にもかかわらず、タバコの害が意識されるようになるのは、ずっとあとのことになる。彼はタバコを「わたしたちの時代の退行的な影響のなかで最も明白なもののひとつ」と、きっぱり定義していた。」


タバコの危険性は135年前から指摘されていた.未だに,タバコ会社はそれを認めず,タバコを積極的に販売しています.
国は,タバコ広告・販売に規制をかけ,人々の健康を守るべきでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 09:22 | タバコ

甲府市立甲府病院の放射性物質過剰投与問題,第三者委員会が医師から聞き取り(報道)

毎日新聞「甲府病院の放射性医薬過剰投与:医師ら7人聞き取り−−第三者委」(2013年10月16日)は,次のとおり報じました.

「甲府市立甲府病院(同市増坪町)が検査用の放射性物質を子供らに過剰投与していた問題で、市が設置した第三者委員会は15日、当時の医師や放射線技師ら計7人に対する聞き取り調査を行った。委員会側は、内容について調査途中であることを理由に明らかにしなかった。患者やその家族らにも12月中旬に聞き取りを行う方針。

 記者会見した長尾能雅委員長(名古屋大医学部付属病院副院長)によると、長尾氏を含む委員5人が、過剰投与を行ったとされる技師長補佐(昨年に死亡)と関わっていた医師や技師を対象に聞き取り調査した。12月1日にも別の技師ら計8人から聞き取りを行うなどし、今年度末を目標に報告書をまとめるとしている。

 過剰投与問題は2011年9月に発覚。技師長補佐は1999〜2011年、日本核医学会などの推奨基準の2〜40倍の放射性物質テクネチウムを含む検査薬を子供ら84人に投与していたとされる。【屋代尚則】」


甲府病院の放射性医薬過剰投与が明らかになってから,かなりの時間が経過しています.できるかぎり,迅速な対処を期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 09:06 | 医療事故・医療裁判

40歳以上の5.8%が緑内障,年に1度は検査を

毎日新聞「10月→目 今週は緑内障 眼圧正常でも発症、検査を」(2013年10月17日)は,次のとおり伝えています.

「視野がどんどん狭くなり、症状が悪化すると失明する恐れがある緑内障は、日本人の失明原因のトップだ。眼圧が高いことが原因とされてきたが、2000年代前半の調査で正常な眼圧でも発症例が多いことが判明した。だが、「正常眼圧緑内障」への理解はなかなか広がっておらず、注意が必要だ。

 川崎市に住む女性(38)は9年前、コンタクトレンズを購入するため眼科を受診した。その際、医師に「眼底に異常があるかもしれない」と指摘され、市内の大学病院で検査を受けたが、眼圧は正常値(10〜21mmHg)の範囲内だった。それにもかかわらず、視神経が損傷している兆候があり、自覚症状はないものの視野に軽度の異常が見つかった。診断結果は緑内障だった。

 女性の場合、早期発見だったため手術の必要はなく、点眼薬だけで症状の進行を抑えられている。

 ●放置すると失明も

 緑内障は、視神経が損傷することによって網膜からの視覚情報を伝える「神経節細胞」が死んでしまうことで発症する。一般に、視野が徐々に狭くなり、放置すると失明する。

 日本緑内障学会が00年から2年かけて実施した大規模調査から、国内の緑内障の患者数を推計したところ、40歳以上の5・8%(約300万人)に上った。厚生労働省の調査では、緑内障は健康な人が失明する原因のトップ(20・7%)。糖尿病網膜症(19・1%)や網膜色素変性症(13・7%)を上回っている。

 ●遺伝など複合要因

 緑内障の原因の一つは、眼圧が高いことだ。しかし、川崎市立多摩病院の上野聡樹(さとき)院長によると、「眼圧が正常でも、複合的な要因で視神経の障害が起きることが少なくない。身内に緑内障の人がいると発症する可能性が高いなど遺伝的な要素もある。眼圧だけが原因ではないが、あまり知られていない」という。実際、同学会の調査では、眼圧が正常なタイプの緑内障は、40歳以上の2・04%いると考えられ、眼圧が高いタイプ(同1・37%)よりも多かった。

 ●早期発見で薬治療

 上野院長は「眼圧検査の結果が正常でも安心しないでほしい」と指摘する。視野が狭くなるなどの自覚症状は、症状がかなり進まないと出ない。「早期発見のためにも定期的に眼底検査も受け、結果によっては視野の検査なども受けた方が安心だ」と、上野院長はアドバイスする。」


症状を自覚する前に受診し,検査・診断・治療することが望ましい病気です.
まして,すこしでも見えにくいなどと感じたら,年のせいと考えずに,緑内障専門医師のいる眼科で精密検査を受けるのがよいと思います.
年に1度の検査をお奨めします.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 08:47 | 医療

産科医療補償制度運営委員会、現行「在胎週数33週以上」を「在胎週数28週以上」に変更を議論

CBニュース「補償対象週数の拡大提案に「根拠が必要」- 産科医療補償制度運営委」(2013年10月16日)は、次のとおり報じました.

 「医療機能評価機構の産科医療補償制度運営委員会(委員長=小林廉毅・東大大学院教授)が16日開かれ、同制度の見直しに向けて補償対象となる脳性まひの基準について専門家からヒアリングを行った。現行の補償対象基準は、一般審査で「在胎週数33週以上かつ出生体重2000グラム以上」としているが、専門家は補償対象の在胎週数を広げることを提案した。これに対して、委員から反対はなかったが、具体的な週数の提示については根拠を示すべきとの意見が上がった。

 ヒアリングで、同制度医学的調査専門委員会の岡明委員(東大大学院教授)は、制度発足後の周産期医療の進歩と変化や、脳室周囲の白質に起こる虚血性脳病変である脳室周囲白質軟化症(PVL)の発生頻度が28週以上早産児で減り、これに伴い脳性まひ発生頻度も減少していることなどを挙げ、「補償対象の週数区分の見直しが必要」と主張。現状に対応して、例えば一般審査で在胎週数28週以上を原則として補償対象とするのが妥当と提案した。

 日本周産期・新生児医学会の田村正徳理事長は、在胎週数28週以上の早産児が脳性まひになる可能性は低下しており、「(一般審査で補償対象を)33週で区切ることには無理がある」と指摘。その上で、新生児医療の現場で「(在胎週数33週を基準に)未熟性による脳性まひと説明するのは困難」とし、補償対象週数の調整の必要性を訴えた。

 議論では、一般審査での在胎週数33週以上とする現行の補償対象週数を広げることに異論はなかった。ただ、岡委員が示した「在胎週数28週以上」とする案に対して、今村定臣委員(日本医師会常任理事)は、「なぜ、28週以上なのかをきちんと説明できなければならない」とし、その根拠を示すべきとの考えを示した。【松村秀士】」


28週に拡大することについて一応の根気を示すことは可能と思います.
対象範囲を拡大すべきと思います.

【追記】

NHK「産科医療補償の対象拡大を」(2013年10月17日)は,次のとおり報じました.

「出産時の事故で重い脳性まひになった子どもに補償金を支払う「産科医療補償制度」について、制度の見直しを議論する日本医療機能評価機構の委員会が開かれ、専門家からは、原則、妊娠33週以上での出産としている現在の制度を緩和し、補償対象を拡大すべきだとする意見が多く出されました。

産科医療補償制度は、出産時の事故で重い脳性まひになった子どもを対象に、医療機関に過失があるかどうかに関係なく、3000万円の補償金が支払われる制度で、来年、導入から5年目となるのに合わせ制度の見直しが行われています。

16日開かれた委員会では、補償対象を原則、妊娠33週以上で生まれた体重2000グラム以上の子どもとしている点について、小児科などの専門医から意見を聞きました。
その結果、複数の専門医から、「今の医学から考えると対象は28週以上で生まれた子どもにすべきだ」などと、補償対象を拡大するのが望ましいとする意見が多く出されました。

また補償対象を妊娠33週から28週にした場合には、およそ430人、体重2000グラムという条件をなくした場合には、およそ80人、それぞれ対象となる子どもが増えるといった試算も示されました。
日本医療機能評価機構では、年内をめどに制度の具体的な見直し案をまとめることにしています。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 02:44 | 医療事故・医療裁判

伊東市で診療所を開業する男性医師が結核を発病

読売新聞「医師結核で県が相談窓口」(2013年10月16日)は、次のとおり報じました.

「伊東市で診療所を開業する50歳代の男性医師が結核を発病したことを受け、県は15日、庁内と熱海保健所に相談窓口を開設したほか、県医師会に対し、職員の健康管理と院内感染対策の徹底を求める通知を出した。17日には伊東市和田の市観光会館でこの医師から診察を受けた患者635人を対象に説明会を開催する。

 県疾病対策課によると、医師は8月中旬からせき込み始めたが、9月も症状が続き、同25日に同市の夜間救急医療センターに勤務後、発熱などがあった。同26日に診療所で自らレントゲンを撮影し、肺に結核の症状を発見。別の病院を受診し、今月2日に結核と診断されて入院した。感染ルートは分かっていない。

 医師はこの間、マスクをせずに伊東市545人、東伊豆町37人、河津町3人、伊豆市2人、浜松市1人の県内患者588人、9都道県の患者36人ら男女635人(住所未確認11人含む)を診察した。医師以外で症状を訴えている人は確認できていないという。

 県は8月1日から診察を中止した9月26日まで、結核を感染させた可能性があると判断。患者に説明会の案内書を発送したほか、免疫力がない乳幼児5人と糖尿病患者ら96人、2回以上受診した285人、医師の家族と職員計4人、夜間救急医療センター職員10人を優先的に健康診断する。

 熱海保健所の三間屋純一所長は15日の記者会見で、マスクを使用せずに診察したことについて「(医師としての自覚が)欠けていたことは否めない」と批判した。」



結核と診断できる前であっても、咳がある以上マスクをするのが常識でしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 02:35 | 医療

大阪大学医学部附属病院の麻酔科医、麻薬取締法違反容疑で書類送検される

毎日新聞「麻薬使用:手術室で自分に注射 阪大病院の麻酔科医を送検」(2013年10月16日)は、次のとおり報じました.

「手術中に医療用麻薬を自分で使ったとして、大阪府警吹田署は16日、大阪大病院(同府吹田市)麻酔科に所属していた医師の男(32)を麻薬取締法違反容疑で書類送検した。「今年5月以降、手術室や自宅で十数回使った。緊急手術が多くストレスを感じていた」と供述しているという。

 送検容疑は今年6月17日夕、阪大病院の手術室で手術中に、鎮痛剤として使う医療用麻薬を自分に注射して使った、とされる。麻薬の使用量が通常より多いことから発覚し、9月6日に懲戒解雇された。【田辺佑介】」


スポーツ報知「医師が医療用麻薬を自己使用「十数回使用、手術中も」(2013年10月16日)は,次のとおり報じました.

大阪大病院(大阪府吹田市)の麻酔科に所属中に医療用麻薬を自己使用したとして懲戒解雇された×××医師(32)が、吹田署の調べに「5月初旬から6月中旬にかけ十数回やった。手術中にも使った」と供述していることが16日、同署への取材で分かった。

 吹田署は同日、麻薬取締法違反の疑いで××医師を書類送検。同署によると、「学会発表や緊急手術を担当してストレスを感じていた」と供述しているという。

 書類送検容疑は、6月17日、阪大病院で手術中に、麻薬に指定され、鎮静効果があるフェンタニルやレミフェンタニルを注射器で自分に打った疑い。

 病院が9月、××医師が担当した手術の際、医療用麻薬を注射器に入れ、患者に使うと見せかけてポケットに隠して、自宅などで使用していたと公表。病院からの届けを受け、吹田署が病院や加藤医師の自宅を家宅捜索して調べていた。」



ときどき医療従事者が病院の薬剤を自己使用したという報道を目にしますが、手術中に自分に使用して朦朧としてしまったら、患者が危険にさらされるではないでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-17 02:27 | 医療