弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 01月 30日 ( 2 )

山形地裁平成26年1月28日判決,アラーム音に気づかず窒息の事案で国立病院機構山形病院に賠償命令(報道)

読売新聞「「窒息防ぐ義務怠った」国立病院に賠償命令」(2014年1月30日)は,次のとおり報じました.

「山形県鶴岡市の筋ジストロフィーの当時8歳の男児が意識障害になったのは、短期入所した国立病院機構山形病院(山形市)の監視体制に不備があったためだとして、両親が病院を相手取り、慰謝料など約3200万円を求めた訴訟の判決が28日、山形地裁であった。

 石垣陽介裁判長は「男児が窒息することを防ぐ義務を怠った」と病院側の過失を認め、1980万円を支払うよう命じた。

 看護師らが呼吸状態を判定する機器のアラーム音に気付かず、発見が遅れて男児が意識障害を負ったかどうかが争点となり、原告は、アラーム音が大きい機器を使用すべきだったなどと主張した。男児は昨年9月に10歳で亡くなっている。

 判決では、発見が遅れたことで男児が窒息し、心肺停止状態になったと認定。病院側に男児の様子を頻繁に監視する義務があったとした。一方、請求額を減らした理由として、男児はたんがたまりやすく吸引介護が必要だったことなど、父親が病院側に十分な情報提供をしていれば、今回のような事態を回避できた可能性があったことを挙げた。

 原告の弁護士は「こちらの主張がおおむね認められた」と判決を評価した。病院側は「主張が認められず残念。控訴も視野に入れて関係機関と相談する」としている。」


本件は,仙台の坂野智憲先生が担当した事件です.
山形地裁平成24年(ワ)第34号 損害賠償請求事件
http://www5b.biglobe.ne.jp/~j-sakano/chissoku1.html

本件に限らず、アラーム音に気づかなかったために起きた医療事故は結構あるようです.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-01-30 18:47 | 医療事故・医療裁判

大阪高裁で逆転判決,大阪拘置所で強制的に栄養を鼻から注入された事案で賠償認める(報道)

西日本新聞「鼻に栄養剤、国に賠償命令 「屈辱的扱いで苦痛」」(2014年1月23日)は,次のとおり報じました.

「大阪拘置所で強制的に栄養を鼻から注入され負傷したなどとして、京都市に住む元収容者の男性が国に300万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は23日、請求を棄却した一審大阪地裁判決を変更、「屈辱的扱いで精神的苦痛を与えた」として、国に50万円の支払いを命じた。

 判決理由で山下郁夫裁判長は「拘置所の医師は食事を拒んだ男性に、点滴などほかの方法を試みず、同意も得ないで鼻から栄養剤を注入した。安全配慮義務に違反しており違法だ」と指摘した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
地裁の判決を高裁が覆したものです.
本件は,そもそも同意・不同意が可能なのに,同意を得ずに強制的に治療することに問題がある事案と言えるでしょう.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-01-30 09:28 | 医療事故・医療裁判