弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2014年 06月 03日 ( 3 )

米小児科学会、妊婦と授乳中の女性に子どもの脳の健全な発達のため150マイクログラム以上のヨウ素を推奨

WSJ「妊娠・授乳期のヨウ素摂取が子供の知能の発達に影響」(2014 年 5 月 27 日)は、」次のとおり報じました.

「米国小児科学会(AAP)は26日、妊婦と授乳中の女性は子供の脳の健全な発達に非常に重要だが日常の食事では十分な摂取が難しいヨウ素を含む妊婦用サプリメントを取るべきだとする研究結果を明らかにした。

 ヨウ素の摂取は過去数十年減少している。報告によると、妊婦の約3分の1は軽度のヨウ素不足になっている。米甲状腺学会などは以前からヨウ素を取ることを推奨しているが、AAPが妊娠中のヨウ素サプリメントについて見解を示したのはこれが初めて。

 報告をまとめたAAPの委員会の委員長で、国立小児科センター(ワシントン)の小児科医ジェローム・ポールソン博士は「(ヨウ素の摂取について)注意を喚起する必要があると考えた」と語った。

 6万の小児科医を擁するAAPは、女性は少なくとも150マイクログラムのヨウ素を含むサプリメントを探すべきだとし、食品からの摂取と合わせて米医学研究所が推奨する1日の量―妊婦で220マイクログラム、授乳期で290マイクログラム―になるとしている。食べ物では乳製品、魚介類、ヨウ素添加塩などがある。

 軽度のヨウ素不足が増えているのは、一般にヨウ素の入っていない塩を使っている加工食品の消費が増えているためである可能性がある、と報告は指摘した。報告は専門誌「小児科学」の電子版に掲載された。

 ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るのに必要で、このホルモンは脳の発達を助ける。ヨウ素がひどく不足している胎児や乳児は知能発育不全になることがある。内分泌学者でボストン大学医学部准教授のエリザベス・パース氏は、懸念されるのは母親の軽度のヨウ素不足がその子の知能の発育を少し遅らせる可能性があることだと述べた。パース氏は甲状腺学会のヨウ素に関する推奨作成に参加した。

 ポールソン博士は、妊婦の軽度のヨウ素不足がその子に大きなダメージを与える公算は小さいが、米国の人口全体で見れば、このような累積的影響は重要なものになることがあると語った。同博士は、ヨウ素不足によってたばこの煙に含まれるチオシアン酸塩などの環境汚染物質に影響されやすくなるかもしれないと話している。

 2009年に医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載された報告では、全ての妊婦用マルチビタミンがヨウ素を含んでいるわけではなく、一部は入ってはいるものの、その量は推奨レベルを下回っているとされている。

 サプリメントメーカーの団体、米栄養評議会(CRN)のダフィー・マッケイ上級副会長によると、CRNは妊婦用サプリメントの栄養について公式の指針を設けていない。しかし、メーカーはヨウ素を入れるようにしているという。

 ヨウ素の摂取を勧める一方、ポールソン博士はヨウ素の取りすぎは健康に問題を起こすことがあると警告し、1日の分量の何倍もヨウ素を取ってはいけないとしている。」


これで、米国人はコンブチャを買うことになるのでしょうか.
日本人の場合、昆布など海産物を多く食べる関係で、ヨウ素の過剰摂取が弊害が指摘されています.
ヨウ素の過剰摂取は、甲状腺異常の原因とされています.

谷直樹

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by medical-law | 2014-06-03 06:33

神奈川県の県立病院、ヒヤリ・ハット1万66件

CBニュース「神奈川の県立病院、ヒヤリ・ハット1万件超- 「小さな事例も報告する姿勢が浸透」と分析」(2014年6月2日)は、次のとおり報じました.

「神奈川県は5月30日、県立病院で2013年度に医療事故に至らなかった「ヒヤリ・ハット」が前年度比246件増の1万66件に上ったことを明らかにした。このうち、患者への実害の程度が軽い事例が増えた一方、程度の重い事例は減った。その理由について、県保健福祉局保健医療部は、「小さな事例でも報告するといった姿勢が浸透してきたため」としている。【松村秀士】

 県は、患者への実害の程度などによって、ヒヤリ・ハットと医療事故をレベル0―5(レベル3は3aと3b)の7つに区分。「間違いは起きたが患者に実施されなかった事例」はレベル0、「間違ったことを患者に実施したが変化が起きなかった事例」はレベル1、「観察の強化や検査の必要性がある事例」はレベル2、「薬剤投与など軽微な処置や治療を要した事例」はレベル3aに、それぞれ分類し、これらをヒヤリ・ハットとした。

 また、「人口呼吸器の装着や手術など濃厚な処置や治療の必要性がある事例」は3b、「高度の後遺症が残る可能性がある事例」はレベル4、「死亡した事例」はレベル5に、それぞれ分類して、これらを医療事故と位置付けた。」


具体例として、患者がシャワー浴の最中に腎ろうチューブを足で踏み、チューブが挿入接続部から外れて再挿入したレベル3aのケースを紹介。再発防止策として、シャワー浴介助に関する指導と確認を確実に行うことにしたという。

 一方、医療事故は前年度に比べて3件減の18件で、そのすべてがレベル3bに該当した。具体的には、ポート(血管内に薬剤を注入する機器)から抗がん剤を点滴しているときに、抗がん剤が血管外に漏れ出して皮膚症状が悪化したため、手術によりポートを除去した事例を挙げ、その対応策として、▽抗がん剤の血管外漏出に関する説明文書の再整備▽説明と患者指導の徹底▽ポートの安全管理に関する研修―を導入したという。」

抗がん剤がポートから漏出する事故は、患者の身体への悪影響が甚大ですし、単なる事故というより過誤にあたるのではないでしょうか.賠償についても適正に対応してしたのでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2014-06-03 00:35 | 医療事故・医療裁判

豊橋市民病院、投薬量を誤り腎機能が悪化し人工透析となった事案で1500万円で和解(報道)

msn産経「処方誤り人工透析必要に 慰謝料1500万円で和解」(2014年6月2日)は、次のとおり報じました.

「愛知県の豊橋市民病院は2日、平成21年に喉頭がんの手術を受けた静岡県の男性(67)に対し、手術後に服用が必要な薬剤の量を誤って処方し続けたため、腎臓が悪化して人工透析が必要になる医療ミスがあったと発表した。病院側は過失を認め、慰謝料1500万円を支払って和解することで男性と合意した。

 豊橋市によると、男性は21年1月、喉頭を全摘出する手術を受けた。術後にカルシウムの補充が必要なため、25年1月まで乳酸カルシウムを継続して処方されたが、同年2月に高カルシウム血症による腎臓機能の低下が確認され、人工透析が必要になった。

 乳酸カルシウムは腎機能に影響するため、処方前に血液検査して、投薬量を調整する必要があったが、男性を担当した女性医師は検査を忘れていた。

 男性が昨年12月、損害賠償を求める調停を豊橋簡裁に申し立てていた。」


後遺症等級5級の後遺症慰謝料は1400万円です(赤本基準).
東地八王子支判平成13年9月26日は、造影剤の影響により人工透析が悪化した事案で5級3の後遺障害を認め、傷害慰謝料とあわせ、1540万円の慰謝料を認めました.この判決が参考になったのかもしれません.

谷直樹

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by medical-law | 2014-06-03 00:06 | 医療事故・医療裁判