「東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)で大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)の手術を受けて死亡した男性(当時74)の遺族が、医師が十分な説明をせずに男性には適さない未承認の医療機器を使って手術をしたとして、病院の運営法人と手術をした男性医師に、計約8700万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。提訴は3月31日付。
機器は「ステントグラフト」という人工血管の一種。血管の内側に挿入して固定することで大動脈瘤への血流を遮断し、破裂を防ぐ治療に使われる。
訴状などによると、男性は2011年10月、同病院で胸腹部大動脈瘤の手術を受けた。この際、医薬品医療機器法(旧薬事法)で承認されていないステントグラフトが使われた。この機器は、男性の血管に合わせて特注されたが、正常に挿入されず、男性は血液の循環不全に陥り、2週間後に多臓器不全で死亡した。
訴状で遺族側は「医師は、他の病院で予定されていた一般的な手術よりも危険性が低いと誤解させる説明をした」と主張。病院の倫理委員会は、患者の同意を得た上で未承認のステントグラフトを使うことは認めているが、遺族側は「必要な説明は受けていない」としている。」
上記報道で知る限りでは,他の病院で予定されていた一般的な手術よりも安全と考えて東京慈恵会医科大学附属病院で手術を受けることにしたようです.一般的な方法との選択のために必要な説明の具体的範囲,どのような説明を受けたのか,説明義務違反がなければ結果が異なっていたのか,等が問題になるように思います.とくに未承認の医療機器を使用する点は,説明義務の内容に影響を及ぼすものと考えられます.神の手におまかせという時代ではありません.
谷直樹
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