弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2015年 12月 26日 ( 2 )

最高裁,判事補91人採用

最高裁は,91人を判事補として採用すると発表しました.

昨年と比べると,次のとおりです.括弧内は昨年の人数。

採用人数91人(101人)
女性38人(29人)
東大法科大学院出身者19人(17人)
予備試験合格者7人(12人)

67期1969人が,68期1766人と減少していますので,判事補採用人数も10人減少したものと思われます.判事補は途中で辞める人も少なくありませんので,毎年少なくとも100人は採用したほうがよいと思いますが...
全体が減少しているなかで女性の採用が増えています.91分の38ですが,裁判官の半数が女性になるように,判事補採用の半数が女性でよいと思います.
出身法科大学院別にみると,今年も東大法科大学院がトップで,人数も若干ですが増えています.
予備試験合格者からの採用は,減少しました.大手法律事務所が優秀な予備試験出身者の採用に積極的なためかもしれません.

医療訴訟は,裁判官3人の合議ですすみますが,まずは若い左陪席が記録を読んで検討のための要約メモを作成しますので,(裁判長のみならず)左陪席の判事補の役割が大きいのです.実際,左陪席が,事案と主張,証拠関係をどの程度どのように理解しているか,によって進行が違うように思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-26 06:13 | 司法

病理検査の検体取り違えて胃癌と誤診し胃切除の医療過誤で,兵庫県が2000万円支払い和解(報道)

神戸新聞「胃がんと誤診し一部切除 兵庫県が遺族と和解」(2015年12月25日)は,次のとおり報じました.

「兵庫県は25日、県立加古川医療センター(加古川市)で2011年にがんではない70代男性の胃を誤って切除した医療事故をめぐり、男性の遺族に解決金2千万円を支払うことで、神戸地裁で和解が成立したと発表した。

 県によると、11年2月に同センターの検査技師が男性の胃の病理検査をした際、80代の入院患者の組織片と取り違えて標本を作製。男性は胃潰瘍だったが、胃がんと誤診され、3月に手術で胃の3分の2を切除した。

 同センターは過失を認めて謝罪し、補償交渉を進めたが、男性は翌年8月に自殺。医療ミスとの因果関係は不明とされた。

 今年5月に男性の遺族が、県に対して5500万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴。10月に裁判所が和解を勧告していた。

 県の佐藤二郎病院事業副管理者は「このような事案が発生したことは、大変申し訳ない。再発防止に努めたい」としている。(斉藤正志)」


本件は,私が担当した事件ではありませんので,上記報道以上のことは知りませんが,一般に医療過誤事件では,自殺との因果関係認定が厳しすぎるように思います.

医療安全情報 No.53「病理診断時の検体取り違え」(2011年4月)によれば,病理診断において、別の患者の検体と取り違えた事例が6件報告されています(集計期間:2007年1月1日~2011年2月28日),とのことです.
防止策は,簡単です.作業を同時並行で行わないことです.それは誰もが知っています.
医療事故防止のためには,自分は間違えないなどと過信しないで,若干効率が悪くなりますが,1人ずつ作業をすすめることが必要です.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-26 05:11 | 医療事故・医療裁判