弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2016年 09月 16日 ( 2 )

大学病院が一部の遺族に補償支払いの意向を示す(報道)

NHK「群馬大 死亡患者の一部の遺族に補償金支払い伝える」(2016年9月16日)は、つぎのとおり報じました.

「群馬大学附属病院で腹くう鏡などの手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、病院側が一部の遺族に対して補償金を支払う考えを伝えていることがわかりました。
この問題は、群馬大学附属病院で40代の男性医師による腹くう鏡などの手術を受けた患者が術後に相次いで死亡したもので、大学の調査委員会はことし7月、病院全体の診療態勢に不備があったとする調査報告書をまとめています。
報告書を受けて大学側は、先月から調査の対象になった50人の遺族に個別に説明を行っていて、このうち一部の遺族に対し、病院側に問題があったことを認めたうえで、補償金を支払う考えを伝えていることがわかりました。病院によりますと、患者ごとに過失の度合いに違いがあると見られ、補償金の額など対応は一律ではないとしていますが、病院側は「誠実に対応したい」としています。
一連の問題が発覚したあと、病院側による遺族への補償の動きが明らかになるのは、これが初めてです。

一方、遺族の弁護団の梶浦明裕弁護士は「今後、手術を担当した医師とその上司の元教授が、遺族に対して真相をしっかりと説明するかどうか見極めたうえで、補償に応じるか、それとも訴訟に踏み切るかを検討したい」と話しています。」


示談で終わるか,訴訟となるか,は,群馬大学側次第のようです.






谷直樹


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by medical-law | 2016-09-16 22:58 | 医療事故・医療裁判

大学病院,副作用の説明を怠り副作用発現後適切な処置を行わなわず視力低下となった事案で1300万円和解(報道)

NHK「視力低下めぐる訴訟 岡山大が解決金支払い和解」(2016年9月14日)は,次のとおり報じました. 

「岡山市の56歳の男性が、岡山大学病院で糖尿病による目の病気の治療を受けたあとに、視力が著しく低下したと訴えた裁判で、岡山大学は、適切な処置を行わなかったことが視力の低下につながったと認め、男性に1300万円を支払うことで、14日、和解が成立したことが関係者への取材でわかりました。

岡山市の56歳の男性は、去年4月、糖尿病による網膜症のため、岡山大学病院で左目に薬を注射するなどの治療を受けたあと、副作用と見られる目の痛みや頭痛の症状が出て、再度受診しましたが、適切な処置が無かっため左目の視力が0.01に下がり、日常生活に支障が出たとして、岡山大学に賠償を求める裁判を起こしました。

男性の弁護士などによりますと、岡山大学は治療前に副作用の説明を怠ったことや適切な処置を行わなかったことが視力の低下につながったと認め、解決金として1300万円を支払うことで、14日和解が成立したということです。

日本眼科学会によりますと、糖尿病による網膜症の国内の患者数は、およそ300万人と推計されています。
和解した男性は、「病院には、患者の人生を預かっているということを改めて認識してもらい、今後、このようなことがないようにしてもらいたい」と話しています。岡山大学は、「和解が成立した案件なので、コメントは差し控える」としています。」


これは,私が担当した事案ではありません.
ただ,糖尿病による網膜症のため左目に薬を注射するなどの治療を受けたと上記報道にありますので,糖尿病による増殖網膜症に伴う血管新生緑内障治療のために抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬を硝子体に注射した事案だと思います.
抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の眼内注射には,感染,出血の危険があり,視力低下の副作用も知られています.
糖尿病による増殖網膜症でも視力低下がおきますが,報道の件は,抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬を注射したあとに目の痛み,頭痛の症状が出ていることから,抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の副作用により視力低下がおきたものと考えられます.抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の副作用による視力低下でも,眼科医の対応によっては責任が生じる場合があり,報道の件は,その1例だと思います.






谷直樹


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by medical-law | 2016-09-16 06:17 | 医療事故・医療裁判