弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 11月 03日 ( 1 )

中津川市の病院,悪性黒色腫の見落としで約7025万円を,頚部食道がんの見落としで308万円を賠償

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岐阜新聞「がん医療過誤2件 賠償金7300万円和解」(2017年11月03日)は,次のとおり報じました.

「○○病院(同市駒場)で2010年と15年、がんの診断の誤りや発見の遅れが原因で、患者が死亡するなどした医療過誤があったことが2日明らかになった。遺族らに最大約7千万円の賠償金を支払うことで和解合意した。同日、市が発表した。

 同院によると、1件は10年11月、東海地方在住の男性=当時(50)=が右尻にできた皮膚腫瘍が大きくなってきたため、同院皮膚科を受診。医師は皮膚がんの悪性黒色腫を疑ったが、患部の細胞を検査して最終診断につなげる病理医が悪性ではないと診断したため、治療を終了した。

 その後、男性は14年12月、右太ももの付け根に腫瘤(りゅう)があるとして市内開業医を受診し、同院で腫瘤を切除。悪性黒色腫が原因だったことが分かり、愛知県の高度医療機関で治療を受けたが、周囲に転移しており、昨年11月に死亡した。

 同院は事故調査会などを経て先月、男性の家族に約7025万円の賠償金を支払うことで和解合意。男性の妻は2日、弁護士を通じて「夫の無念はどれほどであったかと思うと居たたまれない」とコメントした。

 もう1件は、15年7月に同院消化器内科で頚(けい)部食道がんと診断された東海地方在住の女性(75)に308万円を支払うことで和解合意。女性は診断の約9カ月前に、喉の詰まりを感じて同院耳鼻いんこう科を受診したが、医師ががんに気付かず発見が遅れた。女性は愛知県の高度医療機関でがんを摘出、その後は再発していない。

 院長は会見で「医療過誤がなくなるよう、医師や職員の確保と質の向上に努めたい」と謝罪。市は12月の市議会定例会で賠償金に関する議案を提出する。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
医療ミスに因って死亡という結果が発生した場合は,死亡損害について賠償する責任が生じます.50代男性患者の場合,死亡慰謝料,逸失利益等で約7000万円というのは理解できます.
頚部食道がんの発見が約9か月遅れた事案の損害評価は難しいです.約9か月遅れたことにより受けた精神的苦痛,財産的損害を具体的にどのように評価するかは,難しいところがあります.この308万円という金額は,同種事案において,参考になると思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-03 11:29 | 医療事故・医療裁判