弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2017年 11月 23日 ( 3 )

厚労省「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」班第二回公開検討会

毎日新聞「無痛分娩 施設の情報公開促進へ 件数、麻酔の方法など」(2017年11月22日)は, 次のとおり報じました.

「出産の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」の安全対策を議論している厚生労働省研究班(代表者・海野信也北里大病院長)は22日、無痛分娩を手掛ける各施設の年間実施件数や麻酔の方法などをネット上で比較できる仕組みを作る方針を決めた。情報公開を進めることで、重大事故が相次いでいる無痛分娩の安全向上を目指す。

<無痛分娩>リスクも考慮を メリットと注意点

 日本産婦人科医会が全国約2400施設の6割から回答を得た調査によると、無痛分娩は2016年度に少なくとも3万6849件実施され、全出産数の6.1%(病院5.5%、診療所6.6%)を占める。一方で体制の不備も指摘され、麻酔科医が無痛分娩を管理している診療所は9%にとどまる。

 研究班は、実施施設にウェブサイトなどで、年間分娩数と無痛分娩の実施件数▽麻酔の方法や24時間対応の有無▽患者への説明資料や同意文書▽合併症が起きた場合の対策--などの情報公開を求め、研究班メンバーがいる施設で先行実施する。併せて、各施設に学会などで作る組織に登録を促す。登録施設の一覧もネット上で公開し、妊婦らに無痛分娩を選ぶ際の参考にしてもらう。

 この日は、同医会の調査で、実施施設の1割で過去1年に無痛分娩中に重大事故につながる「ヒヤリ・ハット」事例があったことも報告された。【下桐実雅子】


日本テレビ「無痛分娩、非無痛と死亡率の“差”なし」(2017年11月22日)は,次のとおり報じました.

「関西で無痛分娩による事故が相次いだ問題で、日本産婦人科医会は、「無痛分娩と無痛ではない分娩の死亡率に明らかな差はない」とする調査結果をまとめた。

 日本産婦人科医会は、麻酔で出産の痛みを和らげる「無痛分娩」による事故の再発防止策を検討している厚生労働省の研究班の会議で、調査結果を報告した。

 2010年からの6年間で、日本産婦人科医会に報告された妊婦の死亡例は277件で、そのうち14件が無痛分娩だったという。これをもとに推計すると、無痛分娩で死亡する妊婦は10万人あたり4.9人だとして、妊婦全体の3.9人と比べ、「無痛分娩とそうではない分娩での死亡率に明らかな差は認められない」と結論づけた。

 また、全国約1400の分娩施設を対象に行った調査では、過去1年に無痛分娩で「ヒヤリハット」があったと答えたのは、無痛分娩を行っている施設の11%にあたる56施設で、「多量出血」など126件の報告があったという。

 医会は、これらの事例についてさらに詳しい調査を行っているという。」



産経新聞「出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」厚労省の研究班「妊婦死亡率変わらず」と報告」(2017年11月22日)は, 次のとおり報じました.

「出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」で妊婦や新生児の死亡や障害が相次いで発覚したことを受け、厚生労働省研究班の会議が22日開かれ、日本産婦人科医会が「無痛分娩とそうでない分娩の間で死亡率に明らかな差がない」と報告した。

 平成22年からの6年間に医会に妊婦死亡が報告された277例のうち、無痛分娩が行われていたのは14例。医会の調査に基づく無痛分娩の実施率を5・5%として年間分娩数から推計すると、無痛分娩の妊婦の死亡率は10万人当たり4・9人となり、日本の妊婦死亡率と明らかな差はなかった。

 会議では、医会が6月に全国の分娩取り扱い施設2391カ所(病院1044カ所、診療所1347カ所)を対象に行ったアンケートの詳細な結果も報告された。その結果、診療所の8割、病院の7割で無痛分娩の管理を麻酔科医でなく産科医が行っていた。

 また、過去1年間に無痛分娩の分娩に関する「ヒヤリハット」(ひやりとする体験)があったと回答したのは無痛分娩を行っている施設の11%に当たる56施設で126件。医会は、産科麻酔中に起きた「ヒヤリハット」事例について詳しい調査を行っている。」



日本経済新聞「無痛分娩、診療実績などの公開を要請へ 厚労省研究班」(2017年11月22日)は, 次のとおり報じました.

「麻酔を使って痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した女性が死亡するなどの問題を受け、厚生労働省の研究班は22日、無痛分娩を実施する全医療機関に対して診療実績や診療体制などの情報公開を要請することを決めた。妊婦が出産する医療機関を選ぶ際に役立ててもらうのが狙いだ。

 研究班は2017年度中に日本産婦人科医会などを通じてホームページなどでの情報公開を要請する。まずは年間の無痛分娩数や、無痛分娩に関する同意文書などを妊婦に情報提供するよう求める。

 研究班は17年度、安全に無痛分娩が行える診療体制を提言としてまとめる。妊婦の急変に対応できる体制や、麻酔の経験といった無痛分娩を行う上で必要となる医師の要件などを定める。これらを固めたうえで診療体制の公開も要請する。

 22日の研究班の会議は、日本産婦人科医会が過去6年間に検討を終えた妊産婦の死亡事例277例のうち、無痛分娩が行われていたのは14例だったと報告した。無痛分娩による死亡率は人口10万人当たり4.9人だと試算し、人口動態統計による妊産婦の死亡率と明確な差は認められなかったとしている。」


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by medical-law | 2017-11-23 09:01 | 無痛分娩事故

「医薬品のリスクコミュニケーションの現状とこれから ~患者さんへの医薬品の安全性情報提供のあり方を考える~」

本日,平成29年11月23日(木(祝))13時30分~16時00分,東京理科大学(神楽坂キャンパス)森戸記念館 第1フォーラム(地下1階)で,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医薬品等規制調和・評価研究事業『患者及び医療関係者に向けた医薬品等のリスク最小化情報の伝達方法に関する研究』班主催の公開フォーラム「医薬品のリスクコミュニケーションの現状とこれから ~患者さんへの医薬品の安全性情報提供のあり方を考える~」が開催されます.
事前申し込み不要,参加費無料です.

プログラム
【 1. 医薬品のリスク・ベネフィットコミュニケーションの取り組みとその動向】
   山本 美智子(昭和薬科大学 医薬品情報部門 教授)

【 2. 薬物療法におけるコミュニケーション:インフォームド・コンセントとシェアード・デシジョンメイキング】
   中山 健夫(京都大学大学院 医学研究科 教授)

【 3. 提供した情報は適切な行動に結びつくか?】
   中村 敏明(大阪薬科大学 臨床薬学教育研究センター 教授)

【 4. 行政からの患者さんへの安全性情報提供について】
   上野 清美((独)医薬品医療機器総合機構(PMDA) 安全第一部長)

【 5. 患者さんの立場から】
   坂田 和江(元薬害肝炎九州訴訟原告)
   増山 ゆかり((公財)いしずえ(サリドマイド福祉センター) 理事)
   山口 育子((認定NPO法人)ささえあい医療人権センターCOML 理事長)

【 6. パネルディスカッション】

【 7. クロージング】
   大井 恒宏(厚生労働省 医薬・生活衛生局 医薬安全対策課 課長補佐)

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by medical-law | 2017-11-23 08:34

裁判官らの健康診断などのデータを持ち出した事務官を懲戒免職

読売新聞「裁判官らの健診データ持ち出し…事務官を懲戒免」(2017年11月21日)は,「裁判官ら男女約3100人分の健康診断などのデータを無断で持ち出したとして、○○高裁は21日、40代の男性事務官を懲戒免職処分にした。」と報じました.
「発表によると、事務官は7~8月頃、同高裁や○○地裁などの職員が受けた昨年の健康診断結果約3100人分と、がん検診の結果約370人分のデータをUSBメモリーにコピーし、自宅のパソコンで閲覧した。」とのことです.

事務官によって,裁判官らのプライバシーが侵害された事案です.このプライバシーが侵害自体重大なことですが,裁判所が保管するデータ(情報)が事務官によって容易に持ち出されてしまうようでは,国民に不安をあたることになります.

労働安全衛生法第104条は「面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない」とし,第109条は,第104条に違反した者について六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金を定めていますが,上記報道の事実だけでは,第三者への秘密漏示の事実が認められず,労働安全衛生法第109条,第104条が適用されません.

USBメモリーが事務官の所有物だったとすると,データ(情報)の持ち出しだけでは,窃盗罪にあたりません.

データ(情報)の管理と持ち出し行為に関する法整備が必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-23 07:20 | 人権