弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 06月 03日 ( 3 )

岐阜市民病院が絞扼性腸閉塞の診断遅れの責任を認め,821万円余の賠償と再発防止策公表

岐阜市民病院は,5月23日,平成27年4月の土曜日午前11時に単純CTで術後の腸閉塞と判断し帰宅させ,同日午後8時に緊急搬送され,チューブによる小腸内減圧治療を翌日曜まで継続し,日曜午後3時に単純CTと血液検査の結果で絞扼性腸閉塞と診断し緊急手術を行ったが,既に血流障害による腸管の壊死を起こしていたために小腸の大部分を切除した事案で,診断の遅れがあり,それがなければ小腸の壊死を防げた可能性があったことを認め,821万1048円の賠償を行ったことを公表しました.

また,絞扼性腸閉塞への対応が遅れると致命的な結果を招きかねないことから、早期の確定診断と緊急手術が必要であることを再認識したとのことで,次の.再発防止策を公表しました.
「・臨床所見を過小評価せず、術後患者であっても絞扼性腸閉塞を念頭に置き、それが否定できない場合には、造影CTを行うこととした。
・絞扼性腸閉塞の可能性を念頭に置いた場合は、容態の変化を医療チームが頻繁に観察することを周知徹底した。
・夜間休日であっても、診断確定に必要な検査や処置は積極的に行うこととした。
・夜間休日であっても、他の消化器外科医に意見を求めるなど、複数の視点で総合的に治療方針を検討すこととした。
・救急外来で腸閉塞を疑った場合の検査・診断・治療の手順を作成し周知した。」

この件は私が担当したものではありません.
絞扼性腸閉塞の検査,診断,治療の遅れは,医療過誤としてよく問題になります.私も絞扼性腸閉塞の裁判を取り扱ったことがあります(和解で終了).
上記の再発防止策は,とても重要と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2018-06-03 16:41 | 医療事故・医療裁判

公立西知多総合病院,伝達ミスで結腸がんの発見が7カ月遅れた事案について500万円で示談

中日新聞がん発見遅れ慰謝料500万円 西知多総合病院(2018年5月31日)は,次のとおり報じました.

「愛知県東海市の公立西知多総合病院は31日、放射線科のコンピューター断層撮影(CT)で「S状結腸がんの疑い」と診断された70代男性患者の主治医が、CTの診断報告書を読んでおらず、がんの発見が7カ月遅れたと発表した。病院は慰謝料として500万円を男性に支払う。

 病院によると、男性は2016年12月下旬、腹痛を訴えて救急診療センターを受診。約1週間の入院中、放射線科医がCT画像からS状結腸がんの疑いを指摘した診断報告書を作り、電子カルテに載せた。併せて印字して最初の受診先の救急に回した。だが、外科の主治医は診断報告書を読まず、紙の報告書も伝達ミスにより届かず、がんの診療は始まらなかった。

 男性は17年7月下旬に再び腹痛により受診し、S状結腸がんの進行による大腸閉塞で手術を受けた。病院側は、診断報告書が見落とされていたことを把握したが、男性が退院する8月下旬になって初めて男性側に説明した。

 男性は今年2月に希望して転院。診断報告書の見落としや、説明が遅かったことに不満を訴え、病院に損害賠償を求めていた。

 浅野昌彦院長は「このような事故が起き、誠に申し訳なく深くおわびします。再発防止に努めます」とコメントを出した。」


上記報道の件は,私が担当したものではありません.
がんの見落とし事件は,多いと思います.
適時に発見していればどうなったか,その損害評価はどのように考えべきか,患者側と医療機関側で意見が異なることも多いのですが,解決のためには誠意有る対応と或る程度以上の金額の賠償は必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2018-06-03 16:14 | 医療事故・医療裁判

名古屋地裁平成30年6月1日判決,名古屋大学医学部附属病院の医師検査結果の解釈を誤った事案で賠償命じる

朝日新聞名大病院に賠償命令 検査結果の解釈誤り病状悪化」(2018年6月3日)は,次のとおり報じました.

「名古屋大学病院(名古屋市昭和区)の医師が検査結果を誤って解釈したため、骨軟化症が進んで歩行困難などになったとして、患者の男性(85)と家族が同大学に損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、名古屋地裁であった。末吉幹和裁判長は男性側の訴えの一部を認め、大学側に計約3900万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性はB型肝硬変を患い、病院で2005年から投薬治療を始めた。病院は08年に実施した検査の結果などから、骨の疾患が疑われたのに、肝障害起因と誤って解釈。そのまま投薬治療を続けた結果、薬の副作用で骨軟化症が進み、男性は自立歩行などができなくなった。

 裁判で病院側は過失を認め、争点は損害額だった。名古屋大学病院は「今後判決の内容を精査し、対応を検討してまいります」としている。」


上記報道の件は,私が担当したものではありません.
上記報道の件は,投薬を変更し,骨軟化症の治療を行っていたら自立歩行可能だった事案だと思います.
損害額の評価が争われて裁判になる例もときどきあります.

谷直樹

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by medical-law | 2018-06-03 15:59 | 医療事故・医療裁判