弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 07月 10日 ( 2 )

埼玉県立がんセンターにおける造血幹細胞移植の際の医療事故


埼玉県立がんセンターは,6月28日,60歳代女性の造血幹細胞移植の際の医療事故を公表し,外部の専門家を交えた医療事故対策委員会で、原因の究明と再発防止策を検討する,とのことです.

「経緯
造血幹細胞移植(※)のため、6月25日13時頃から末梢血幹細胞を採取する準備を始めた。
抗がん剤治療目的で左鎖骨下に留置してあったカテーテル(管)を末梢血幹細胞採取のための太いカテーテルに入れ替えようとしたが、うまく入らなかった。
次に左鎖骨上から挿入を試みたが、左側腹部痛の訴えがあったためレントゲン撮影を行った。
レントゲンでは左胸に異常所見(出血の可能性)があったが、脈や血圧などは安定していた。また、カテーテルがうまく入っていないことが確認されたので、改めて鼡径部(足の付け根)からカテーテルを挿入し、末梢血幹細胞の採取を進めた。
幹細胞採取の終了間際に全身状態が悪化し、蘇生を行うも同日19時51分に死亡した。

※造血幹細胞移植とは
多発性骨髄腫の原因となる骨髄腫細胞を抗がん剤で死滅させた後、あらかじめ採取しておいた自分の造血幹細胞(血液をつくる細胞)を戻す(移植する)ことにより、正常な造血機能を回復させる治療」


報道の件は私が担当したものではありません.
出血の疑いがある以上,血圧等が安定していても,出血の有無,箇所を調べ対処する必要があると思います.
調査で事故原因,問題点が解明されることを期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2018-07-10 06:07 | 医療事故・医療裁判

独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで執刀医が交替しヨードアレルギーが伝達されず,ヨード入り消毒剤が使用された医療事故

読売新聞「手術前のアレルギー申告、伝わらず…消毒液誤る」(2018年7月4日)は, 次のとおり報じました.

「独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)で、県内の60歳代男性が手術の際、ヨードに対するアレルギーを申告していたにもかかわらず、医師が誤ってヨード入りの消毒液を使い、約2週間にわたりアレルギー症状が出る医療ミスがあったことが3日、読売新聞の取材でわかった。

 同センターによると、男性は4月、鼠径ヘルニアの手術を受ける前にヨードアレルギーがあることをセンター側に伝えていたが、主治医が急患対応のためにほかの医師と交代。その医師にアレルギーの件が伝えられていなかったため、医師が手術に伴う消毒でヨード入りの消毒液を使ってしまったという。同じ手術チームのメンバーもヨード入りのものが使われたことに気が付かなかったという。

 男性には手術後からアレルギー反応が表れ、痛みを伴う腫れや炎症が続いた。センター側は男性に謝罪しており、見舞金を支払う方針。センター側は「今後は手術に関わるメンバー内での情報共有を徹底する」としている。」


上記報道の件は私が担当したものではりません.
アレルギーの既往がわかっている薬剤が投与されることは少ないのですが,報道の件は伝達ミスによるものです.

谷直樹

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by medical-law | 2018-07-10 05:49 | 医療事故・医療裁判