弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 08月 17日 ( 2 )

中津川市民病院ステロイド製剤を投与後の血糖管理を十分行わず患者が死亡した事案について1550万円で和解(報道)

共同通信「市民病院が血糖管理誤り女性死亡」(2018年8月17日)は,次のとおり報じました.

「岐阜県中津川市の同市民病院は17日、糖尿病を患っていた岐阜県の女性患者=当時(76)=に乳がんの抗がん剤の副作用を抑える薬剤を使用した際、血糖管理を十分にせず死亡させたとして、賠償金1550万円を支払うと発表した。

 病院によると、昨年2月、乳がんの進行がみられたため、女性に使っていた抗がん剤を変更した際、副作用を抑える目的でステロイド製剤を投与した。女性は退院2日後に血糖値が急激に上昇して意識レベルが低下し、同3月に死亡した。

 ステロイド製剤は投与すると2、3カ月以内に血糖値が上がる性質がある。女性は糖尿病のため、血糖値が想定より早く上昇したとみられる。」


報道の件は私が担当したものではありません.
ステロイドはインスリン拮抗ホルモンなので,それを投与すると,起床後の空腹時の血糖検査には現れませんが,午後から血糖値が上がってくるステロイド糖尿病を,投与期間に応じて結構高い確率で発症することが知られています.ステロイド製剤投与後は血糖管理を行います.まして糖尿病であれば厳重な血糖管理を行うはずなのですが.
内分泌科の医師との連携が大事だと思います.
最近は,血糖トレンドで連続的に血糖値を把握できます.


谷直樹

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by medical-law | 2018-08-17 23:21 | 医療事故・医療裁判

奈良東病院の看護師が,Tピースを介さず気管チューブに酸素チューブを接続し患者を呼吸困難で死亡させる(報道)

産経新聞「酸素チューブ誤接続で男性患者死亡 奈良東病院」(2018年8月16日)は,次のとおり報じました.

「高齢者医療・介護が専門の奈良東病院(奈良県天理市)で平成28年8月、看護師らが80代の男性患者を入浴させる際に、酸素吸入チューブの接続方法を誤った結果、容体が急変し、死亡していたことが16日、同病院への取材で分かった。病院側は医療事故として遺族に説明し、すでに再発防止策も講じたという。

 病院によると、男性は誤嚥(ごえん)性肺炎を繰り返すようになり、気道確保のために鼻からチューブを入れる措置を取っていた。

 当時病院に勤務していた30~50代の女性看護師3人が、医師の判断を仰がずに男性に酸素吸入チューブを接続。本来は男性と酸素ボンベとの間に「T字コネクター」と呼ばれる器具を装着すべきだったが怠ったため、酸素ボンベから空気が一方的に男性に流れ込み、排気ができずに呼吸困難になったという。」


報道の件は,私が担当したものではありません.

気管チューブに酸素チューブを接続すると,吐き出し口がないので,酸素が一方的に入っていくだけになり,呼吸できないことになります.T字コネクター(Tピース)をつなぐことで,酸素が流れていく横から酸素を吸って吐くことができるます.これは当然の常識です.
看護師3人がそれを知らないとは,ちょっと信じがたいことです.

谷直樹

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by medical-law | 2018-08-17 13:25 | 医療事故・医療裁判