弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 09月 13日 ( 2 )

滋賀県立精神医療センターの患者自殺の事案で,病院側の管理不十分を認め300万円支払いへ(報道)

朝日新聞「病院の管理不十分で患者自殺、遺族に300万円支払いへ」(2018年9月12日)は次のとおり報じました.

「滋賀県は11日、県立精神医療センター(草津市)で、患者が入院の同意後に外出して自殺したのは病院側の管理が不十分だったとして、遺族に300万円を支払うことで合意できる見込みになったと発表した。9月議会に関連議案を提出する。

 センターや県経営管理課によると、昨年9月、県内の50代女性がセンターの外来で入院が必要と判断され、入院に同意した。付き添っていた親族1人が入院の手続きをしている間に、女性が待合室から外出し、近隣のマンションから飛び降りて死亡したという。

 遺族は昨年12月、センター側の監視が不十分だったとしてセンターに損害賠償を請求。今年5月には県内の簡易裁判所に調停を申し立て、センターと協議してきた。センターは「外出に対して病院の管理が万全でなく、一定の責任を負うべきだ」と判断。300万円を支払うことで遺族と和解の見通しが立ったという。



報道の件は私が担当したものではありません.
入院前の患者を1人にしてしまったことが悔やまれる事案で,もう少し病院側に配慮があれば,と思います.患者の自殺における病院の管理責任について参考になる解決です.

谷直樹

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by medical-law | 2018-09-13 08:57 | 医療事故・医療裁判

宮崎地裁平成30年9月12日判決,帝王切開手術後左脚に腫れが見られ肺血栓塞栓症で死亡した事案で1億6000万円賠償を命じる(報道)

産経新聞「帝王切開後、女性死亡で1億3000万円賠償命令 医療ミス原因と判断」(2018年9月12日)は,次のとおり報じました. 

「宮崎市の産婦人科医院で平成24年、帝王切開手術で男児を出産した女性=当時(35)=が、容体が急変して死亡したのは、医療ミスが原因だとして、遺族らが計約1億6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宮崎地裁は12日、病院側に約1億3千万円の支払いを命じた。

 判決で五十嵐章裕裁判長は、女性は術後、左脚に腫れの症状が確認され、医師は産科ガイドラインや文献から血栓症の可能性を認識できたと指摘。だが、必要な治療をせず、転院などの措置も怠ったとし、病院側の注意義務違反を認定した。

 その上で、「高度な医療を受けられる医療機関に早期に転院していれば、女性を救命できた可能性が高かった」と判断して、死亡との因果関係も認めた。

 判決によると、女性は24年4月11日、帝王切開で男児を出産。左脚付近の静脈に生じた血栓が合併症の肺血栓塞栓症を引き起こし、15日に死亡した。」

報道の件は,私が担当したものではありません.
帝王切開は,経膣分娩の22倍の肺血栓塞栓症のリスクがあります.
検査が充実してきた現在でも,妊産婦の状態を観察することは基本中の基本です.報道の件は,左脚に腫れの症状が確認されたとのことですので,深部静脈血栓を疑うべきです.ガイドライン,文献にしたがった対処を行えば救命できたケースでしょう.
妊産婦の状態を観察すること,産科ガイドラインを遵守することは,患者の安全のために必要なことです.


谷直樹

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by medical-law | 2018-09-13 04:38 | 医療事故・医療裁判