弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 10月 05日 ( 1 )

肺がん検診での見落としでクリニックに約1100万円請求(報道)

朝日新聞「検診で見落とし」がんの男性、賠償求め申入書(2018年10月4日)は,次のとおり報じました.

「東京都杉並区の肺がん検診で相次ぐ見落としがあったとされる問題で、再検査でがんと分かった70代男性が検診を受託したクリニックに対し、約1100万円の損害賠償を求める申入書を提出した。対応次第で提訴も検討するという。

 申入書の提出は2日付で、代理人の弁護士が3日公表した。申入書によると、男性は昨年8月、「河北健診クリニック」(同区)で受けた区の肺がん検診で「異常なし」と診断された。しかし、見落とし問題発覚後の今年8月、再検査でステージ3と判明した。男性側は、昨年時点のX線画像を見た別の病院の医師から「ステージ1だったとみられる」という見解を得たとし、「見落としと病状の進行には因果関係がある」と主張している。

 申し入れを受けて、クリニックを運営する社会医療法人・河北医療財団は「財団としてのコメントはありません」としている。

 同クリニックが区から受託した肺がん検診をめぐっては、40代の女性が症状の見落としで今年6月に死亡したことが発覚。過去9424人分のX線画像を再確認したところ、今回の男性を含む44人は精密検査が必要とされた。」


報道の件は私が担当したものではありませんが,私もがんの見落とし事件が結構担当しています.検診の医療水準を低く認定した裁判例があり,その裁判例が一般人が検診に期待するレベルと乖離しているために,相談者へのがん見落としの過失の説明に苦労します.また,裁判所における因果関係の認定も,一般人の感覚にそぐわないところがあり,説明に苦慮します.
なお,癌の見落としについては,裁判になる前に解決することも多いです.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2018-10-05 18:13 | 医療事故・医療裁判