弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2018年 12月 17日 ( 2 )

杵築中央病院,専門の医師に早く紹介せず細菌を検査し適切な抗生剤を使用しなかったために足を切断を余儀なくされた患者と和解(報道)

OBS大分放送「足腐敗で切断…杵築中央病院で医療ミス」(2018年12月10日)は,次のとおり報じました.

「杵築中央病院は左足の一部が腐敗し、切断を余儀なくされた女性について適切な処置を怠った医療ミスと認め、謝罪したことを明らかにしました。
杵築市に住む43歳の女性は、今年9月18日に足の違和感を訴え杵築中央病院を受診しました。その後治療を続けましたが症状が悪化し、1か月後に別の医療機関で緊急手術を受け左足を切断しました。この処置について、県医師会の医事紛争処理委員会は杵築中央病院が専門の医師に早く紹介せず、細菌を検査し適切な抗生剤を使用していなかったと判断したということです。これを受け杵築中央病院は7日、「我々に非があった」と女性側に謝罪しました。病院は女性への補償を進めるとともに、再発防止に向けて外部の専門医などによる検証を行う方針です。」


報道の件は私が担当したものではありません.

人の生命及び健康を管理すべき業務に従事する医師は、その業務の性質に照らし、ri臨床医療上必要とされる最善の注意義務を要求されています(最高裁昭和三一年(オ)第一〇六五号同三六年二月一六日第一小法廷判決・民集一五巻二号二四四頁参照).
医師は、自ら適切な診療をすることができないときには、患者に対して適当な診療機関に転医すべき旨を説明し、勧告する義務(転医勧告義務)を負う場合があります.
報道の件は,そのような場合と考えられます.

谷直樹

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by medical-law | 2018-12-17 17:26 | 医療事故・医療裁判

つがる総合病院,コールドポリペクトミーによる腸壁損傷で和解(報道)

東奥日報「大腸ポリープ手術でミス、人工肛門に つがる総合病院、1250万円賠償へ」(2018年11月22日 )は次のとおり報じました.

「つがる西北五広域連合は21日、青森県五所川原市のつがる総合病院で2017年11月、つがる市の80代男性が内視鏡による大腸ポリープの切除手術を受けた際、担当医が腸を傷つけるミスがあり、人工肛門が必要になる後遺症が残ったと発表した。広域連合は過失を認め、患者側に賠償金1250万円を支払う方針。

 同日の広域連合定例議会で、広域連合長の佐々木孝昌五所川原市長が損害賠償に関する議案を提案し、全会一致で可決された。

 広域連合や同病院によると、ポリープを切除する「コールドポリペクトミー」という手術の際、担当医が誤って手術器具で腸壁を傷つけたため、患者は腹腔(ふくくう)内出血による腹膜炎を発症。壊死(えし)した左結腸の切除や、人工肛門をつくるなどの治療を強いられた。

 手術時の対応を検証した結果、病院は「無理に切除する必要のないポリープだった」(同病院管理課)などとして、過失を認めて男性に謝罪。今年10月に和解した。広域連合の鎌田和廣病院運営局長は、取材に「患者に大変ご迷惑をおかけした。今後このようなことがないよう、再発防止に努めたい」と述べた。」


報道の件は私が担当したものではありません.
手技による事故には,「注意して回避できるもの」と「注意しても回避できないもの」があります.報道のコールドポリペクトミーによる腸壁損傷は注意して回避できるものです.


谷直樹

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by medical-law | 2018-12-17 11:10 | 医療事故・医療裁判