弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2019年 04月 10日 ( 1 )

大阪地検,和泉市の無痛分娩全脊麻事故で院長医師不起訴(嫌疑不十分)

和泉市の無痛分娩全脊麻事故は,私が担当している事件です.
遺族から依頼され,途中から代理人になりました.
既に書類送検されていましたが,平成30年9月11日,業務上過失致死罪で刑事告訴を行いました.告訴の骨子は次の3点です.
① 麻酔薬を少量分割投与する注意義務の違反 
院長医師は,午後3時20分頃から,患者に,7.5mg/mlの高濃度のアナペイン5ml,3ml、5mlを観察を行うことなく連続的に投与した。
② 麻酔域を調べる注意義務の違反 
院長医師は,同25分頃に患者に下肢の運動麻痺の所見が認められ,同32分に呼吸苦の訴えがあったにもかかわらず,麻酔域を調べなかった。
③ 純酸素投与を行う注意義務の違反
院長医師は,局所麻酔薬のくも膜下腔への誤投与の可能性を疑わず,バッグ・バルグ・マスク等を用いた純酸素投与を行わなかった。

①7.5mg/mlの通常用いられるよりも高濃度のアナペインを投与こと
②通常用いられるよりも多い5ml,3ml、5mlを観察を行うことなく連続的に投与したこと
③硬膜外腔に投与するつもりで脊髄くも膜下腔に投与したこと
により,全脊髄麻酔(全脊麻)を引き起こし,呼吸障害が生じさせました.
医師として麻酔が効いている範囲を確認するのが当然なのに,麻酔域を調べませんでした.
どんなに遅くとも,呼吸が苦しいと訴えた時点で,麻酔域を調べるべきだったと考えます.麻酔域を調べていれば,麻酔域が広すぎ呼吸に影響がでていることは容易に分かります.そこで,純酸素投与を準備し,適切に純酸素を投与することで患者死亡の結果は回避できたはずと考えました.

大阪地方検察庁は,バッグ・バルグ・マスク等を用いた純酸素投与を行って救命できた時点を検討していましたが,重篤な呼吸障害が生じた時点を証拠から分単位で特定することができず,嫌疑不十分で不起訴としました.

一般に,不起訴には次の場合があります.
1 訴訟条件を欠く場合
 被疑者が死亡したときなどです.
2  被疑事件が罪とならない場合
 犯罪時に心神喪失であったときなどです.
3 犯罪の嫌疑がない場合(嫌疑なし)
 被疑者が犯人ではなかったことが明らかになったときなどです.
4 犯罪の嫌疑が不十分の場合(嫌疑不十分)
 犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときです.
5 起訴猶予の場合
 被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であっても,諸般の事情を総合的に考慮して,検察官の裁量により不起訴とされる場合があります.

本件は,証拠不十分のため嫌疑不十分とされた事案です.医療として一般に行うべきことが行われていないために,証拠が不足し,重篤な呼吸障害が生じた時点を分単位で特定するについて検察がほぼ100%の確信をもてなかった事案です.
ただ,医療は疑って検査し,診断し,治療する一連の行為の連続です.どこか1点を切り離して問題にするのは本質を見失いかねません.硬膜外麻酔を行ったら麻酔の効きの範囲を調べるなど医療として一般に行うべきことが行われていないことを含めて,検査義務違反と治療義務違反を合わせた過失について検討する必要があったと思います.

安心して無痛分娩が受けられるようにするためには,安全な無痛分娩が普及することが必要です.麻酔薬を投与しながら麻酔域を調べず,全脊麻に気付かず,治療(純酸素投与)ができなかった事案を許さないことは,医療の質の向上に必要なことと思います.

浦和簡判平成7年10月16日,札幌簡判平成9年10月29日などの先例もあります.

読売新聞「無痛分娩死亡、大阪のクリニック院長不起訴」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」で2017年1月、無痛分娩をした女性が死亡した事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で大阪府警に書類送検された男性院長(61)を不起訴(嫌疑不十分)にした。

 院長は17年1月、大阪府枚方市の長村千恵さん(当時31歳)に出産の痛みを和らげる局所麻酔を実施。直後、長村さんは呼吸困難に陥り、10日後に低酸素脳症で死亡した。帝王切開で生まれた次女は無事だった。

 府警は17年10月、適切な呼吸の回復措置を怠ったとして院長を書類送検。地検は不起訴の詳しい理由を明らかにしていないが、関係者によると、院長が適切に措置したとしても死亡していた可能性が排除できないと判断したという。

 長村さんの父親、安東雄志さん(69)は9日、大阪市内で記者会見し、検察審査会に申し立てる意向を示した。」


毎日新聞「無痛分娩で女性死亡、院長を不起訴処分に 大阪地検」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院で2017年、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(ぶんべん)に臨んだ女性が死亡した事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)を不起訴処分(容疑不十分)にした。遺族は、検察審査会に不服を申し立てる。

 事故は17年1月に起きた。長村千恵さん(当時31歳)=同府枚方市=が脊髄(せきずい)付近にある「硬膜外腔(がいくう)」への麻酔を受けた後、呼吸困難で意識不明になった。別の病院に運ばれたが、低酸素脳症で10日後に死亡。帝王切開で生まれた女児は無事だった。

 大阪府警は同年10月に業務上過失致死容疑で書類送検。地検は複数の産婦人科医らに鑑定を依頼したが、救命できたかについては意見が分かれていた。

 地検は「捜査を尽くしたが、起訴に足りる事実が認定できなかった」と発表。ただ遺族側によると、地検は、呼吸困難になった長村さんに対し、院長がいつの時点で救命措置を始めるべきだったかについて、詳細な時刻を特定できないと説明したという。院長の代理人は「コメントはしない」としている。

 無痛分娩を巡っては近年、京都府京田辺市や神戸市の産婦人科医院でも母子が死亡したり、重い障害が残ったりする事故が発生。京都府警は17年に京田辺市の男性院長を業務上過失傷害容疑で書類送検したが、京都地検が容疑不十分で不起訴にしていた。【高嶋将之、松本紫帆】

 「不起訴ありきの判断で、残念でならない」。長村千恵さんの父親の安東雄志さん(69)は、大阪市内で開いた記者会見で訴えた。最愛の娘を亡くしてから約2年。捜査結果を待ち続けた安東さんは「あり得ない」と悔しさをにじませた。

 事故後、安東さんは無痛分娩(ぶんべん)に詳しい専門家を探し、複数の医師に鑑定を依頼。「適切な呼吸回復措置をしていれば助かった可能性が高い」とする意見書を地検に提出した。安東さんは会見で、「意見書があるので起訴すると思っていたのに……」と声を震わせた。

 事故は突然だった。病院に駆け付けた安東さんが目にしたのは、酸素マスクをつけた千恵さん。声をかけても反応がなかったが、助産師が赤ちゃんを添い寝させた際、意識がないはずの千恵さんの目から涙がこぼれた。

 「母親として子どもの成長を見たかっただろうに」

 現在、帝王切開で生まれた千恵さんの次女(2)は元気に育っている。ただ長女(4)は時々、千恵さんを思い出して泣くことがある。安東さんは「娘はもう帰ってこない。こんな事故が二度とないよう、国は安心して無痛分娩ができる体制を整備してほしい」と訴えた。【村田拓也】」


朝日新聞「無痛分娩の死亡事故、産婦人科院長を不起訴 大阪地検」(2019年4月9日)は次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院で2017年1月、無痛分娩(ぶんべん)で出産中の女性(当時31)が意識不明になり、その後死亡した事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で府警から書類送検されていた同院の男性院長(61)を不起訴処分(嫌疑不十分)とし、発表した。遺族は処分を不服として検察審査会に審査を求めるという。

 院長は17年1月10日、同府枚方市の長村千恵さんが次女を出産する際、無痛分娩の麻酔が効き過ぎて呼吸困難に陥ったのに適切な処置を怠り、10日後に低酸素脳症で死亡させたなどとして、夫の告訴を受けた府警に同10月に書類送検された。次女は長村さんが亡くなる前に帝王切開で生まれた。

 地検はカルテなどの医療記録の分析や、当時の状況を知る関係者や鑑定書を作成した医師らへの事情聴取などから、長村さんが呼吸困難になった原因は、担当医だった院長が麻酔薬を注入する部分を間違えたことが原因だったと判断したとみられる。

そのうえで院長の過失の有無について、呼吸困難に陥ったかどうかを判別する血液中の酸素濃度の値にばらつきがあり、どの時点で人工呼吸器で酸素を送り込むべきだったか特定するのが困難なうえ、操作に専門的な技術が必要な人工呼吸器を院長が取り扱うことは難しかったなどとして、刑事責任を問えないと判断した模様だ。

 院長の代理人弁護士は不起訴処分について「ノーコメントです」と話した。(多鹿ちなみ、一色涼)」


産経新聞「無痛分娩で母死亡、院長を不起訴処分 大阪地検」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市で平成29年1月、出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」で出産した長村千恵さん=当時(31)=が死亡した事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で書類送検された産婦人科医院「老木(おいき)レディスクリニック」の男性院長(61)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。地検は処分理由を「捜査を尽くしたが、起訴に至る事実が認定できなかった」としている。

 長村さんは同年1月10日、同医院で無痛分娩で出産する際、呼吸不全で意識不明になり、10日後に搬送先の別の病院で低酸素脳症で死亡した。子供は帝王切開で生まれ無事だった。

 大阪府警は同年10月、施術した院長について、脊髄近くの硬膜の外側に注射する麻酔を誤ってさらに奥の「くも膜下腔」に注入し、麻酔が効きすぎて意識不明に陥ったのに、人工呼吸器などで強制的に空気を送る「強制換気」をするなど適切な処置を取らなかったとして、業務上過失致死容疑で書類送検していた。

 不起訴処分を受け、長村さんの父、安東雄志さん(69)が大阪市内で記者会見。「これほど証拠がある中で起訴されないというのなら、どの事件であれば起訴されるのか。残念でならない」と憤り、不起訴処分を不服として検察審査会に申し立てをする方針を明らかにした。その上で、「どんな結果になっても娘は帰ってこない。これ以上、母親や子供の命がなくなることはなくしてほしい」と話した。」


日本経済新聞「大阪地検が院長不起訴 無痛分娩死」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院で2017年、無痛分娩で出産した長村千恵さん(当時31)が死亡した医療事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。地検は「起訴するに足る事実が認定できなかった」としている。

院長は17年1月、長村さんに対し、脊髄を保護する硬膜の外側に麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を施した際、管が誤って奥まで刺さり容体が急変。長村さんは呼吸困難で意識不明となり、搬送先の別の病院で死亡した。

大阪府警は同年10月、容体急変後に必要な救命措置を怠ったとして、院長を同容疑で書類送検。地検は他の複数の産科医らから意見を聞き、院長が事故を予見して救命できたか検討していた。

長村さんの遺族の代理人弁護士は9日、記者会見で、不起訴の理由について「回復のための措置を行うべきタイミングを特定できず、過失と死亡の間の因果関係を立証することが難しいと判断したようだ」と話した。 」


時事通信「無痛分娩中の死亡事故、院長不起訴=遺族、検審申し立てへ-大阪地検」(2019年4月9日)は次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院で2017年、無痛分娩(ぶんべん)で出産した長村千恵さん=当時(31)=が死亡した事故で、大阪地検は9日、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)を嫌疑不十分で不起訴とした。遺族側は処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てるという。
 長村さんは17年1月、出産の痛みを弱めるため、脊髄を守る硬膜の周囲に麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を受けた際、管が誤って奥まで刺さり容体が急変。帝王切開で生まれた女児は無事だったが、長村さんは低酸素脳症で10日後に死亡した。
 府警は同10月、人工呼吸など適切な救命措置を怠り死亡させたとして、院長を業務上過失致死容疑で書類送検していた。
 病院側弁護士によると、院長は地検に「できる限りの処置はした」と説明したといい、地検は刑事責任を問えるほどの過失はなかったと判断したとみられる。 」


共同通信「無痛分娩死、院長を不起訴 遺族が検審申し立てへ、大阪」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」で2017年、麻酔で痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した長村千恵さん=当時(31)=が死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された男性院長(61)について大阪地検は9日、嫌疑不十分で不起訴処分にした。「起訴するに足る事実が認定できなかった」としている。

 無痛分娩を巡り医師が捜査されたケースは異例で、遺族は起訴を求めて検察審査会に審査を申し立てる方針。

 長村さんの父安東雄志さん(69)は大阪市内で記者会見を開き「これ以上、命が奪われることがないよう訴えていきたい」と話した。」


NHK「無痛分べんで死亡 院長を不起訴」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「おととし、大阪・和泉市の産婦人科医院で「無痛分べん」で出産した31歳の女性が死亡したことをめぐり、業務上過失致死の疑いで書類送検されていた院長について検察は9日、嫌疑不十分で不起訴にしました。

おととし1月、大阪・和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」で、長村千惠さん(31)が「無痛分べん」で出産中に意識不明の状態になりました。
女の子の赤ちゃんは生まれましたが、長村さんは10日後に低酸素脳症で死亡しました。
警察は、61歳の院長の男性が人工呼吸などの十分な対応を取らなかったために死亡した疑いがあるとして、おととし10月、業務上過失致死の疑いで書類送検していました。
この院長について大阪地方検察庁は9日、「起訴できるだけの証拠が集まらなかった」として嫌疑不十分で不起訴としました。
院長の代理人の弁護士は取材に対して「コメントすることはありません」としています。

【女性の遺族“本当に残念”】
検察がクリニックの院長を不起訴としたことについて、亡くなった長村千惠さんの父親の安東雄志さん(69)は、記者会見を開き、「専門の医師による意見書など証拠があるのに起訴されないのなら、どんな事件が起訴されるのかと本当に残念に思います」と述べました。
そして、検察の判断は納得できないとして検察審査会に審査を申し立てる考えを示しました。」


TBS「無痛分娩で死亡、院長の刑事責任問わず」(2019年4月9日)と毎日放送「「無痛分娩後に死亡」産科院長を不起訴処分 遺族は検察審査会に申し立てへ」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「おととし、大阪府和泉市の産婦人科医院で無痛分娩で出産した女性が、その後、死亡しました。病院の男性院長が書類送検されましたが、大阪地検は院長の刑事責任を問わないと判断しました。

 おととし1月、大阪府和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」で、長村千惠さん(当時31)が無痛分娩で出産中に意識不明となりました。赤ちゃんは帝王切開で無事生まれましたが、長村さんは10日後、死亡しました。

 警察の調べに対し、男性院長(61)は、「パニックになり対応が追いつかなかった」と話し、警察はおととし10月、院長が適切な回復措置を怠ったなどとして、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。これに対し大阪地検は、「捜査を尽くしたが、起訴するに足る事実が認定できなかった」として、9日付けで院長の刑事責任を問わないと判断しました。

 「この事件が起訴されなかったら、どの事件が起訴されるんでしょう。本当に残念でなりません」(亡くなった長村さんの父 安東雄志さん)

 遺族は不起訴を不当として、検察審査会に申し立てを行う予定です。」



朝日放送「娘が無痛分娩で死亡 男性院長不起訴に父親は 大阪・和泉市」(2019年4月9日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院で「無痛分娩」で出産中の女性が死亡した事故で、男性院長が不起訴処分となりました。

男性院長(61)は、おととし「無痛分娩」で出産中に呼吸困難に陥った長村千恵さん(当時31)に対し、適切な処置を怠り、死亡させた疑いで書類送検されていました。院長は警察に「パニックになり対応が追いつかなかった」と話していましたが、大阪地検は嫌疑不十分で不起訴処分としました。一方、長村さんの実父・安東雄志さん(69)は会見で「呼吸困難の原因は院長が麻酔を誤ったためだ。(娘が産んだ)孫の姿を見ると、大人として本当に、なすすべの無い自分自身を残念に思う」と訴えました。遺族は、不起訴は不当だとして、検察審査会に審査を申し立てるということです。」



日本テレビ「無痛分娩で女性死亡 院長を不起訴に」(2019年4月10日)は,次のとおり報じました.

「大阪府和泉市の産婦人科医院の院長は、おととし、出産直後の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」で出産した長村千恵さん(当時31)が、呼吸困難に陥った際に必要な措置を行わなかったとして、業務上過失致死の疑いで、書類送検されていた。調べに対し、院長は、「容態の変化に対応が追い付かなかった」と供述していた。大阪地検は、「起訴できる事実が認定できなかった」として嫌疑不十分で不起訴としている。遺族は、不起訴を不当だとして、検察審査会へ申立を行う方針。」


関西テレビ「『娘は殺された』・・・無痛分娩で死亡事故、‘’書類送検された医師‘’を、検察が「不起訴処分」」(2019年4月10日)は,次のとおり報じました.

「長村さんの遺族は今回の不起訴処分を不当だとして今後、検察審斎会に申し立てを行
う予定。

おととし、大阪府和泉市のクリニックで「無痛分娩」で出産した女性が死亡した事故で、大阪地方検察庁は、業務上過失致死の疑いで書類送検された院長の男性について、不起訴処分としまし
た。

【長村さんの父・安東碓志さん】
「こういう医師を、野放しにしていいものかなと。非常に残念に思います」

女性の父親は、検察力哨l事責任を問えないと判断したことについて、悔しさをにじませました。

おととし、大阪府髫]泉市の「老木レディースクリニック2」で、長村千恵<31)さんが麻酔で痛みを和らげる、″無痛分娩”で次女を出産をするため、麻酔を受けました。

しかし、麻酔の針が誤って深く剌されたことで、容態が急変。

次女は緊急の帝王切開で生まれ無事でしたが、長村さんは死亡しました。

その後、警察が捜査した結果、容態が急変した時に人工眄黶を行え頃咀復の見込みがあったのに。それを怠った疑いがあることカ判明。

クリニックの男性院長{61}を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

捜査関係者などによると、今回の事件について複数の医師に意見を求めたところ、「適切に処置していれば動かった可能性は高い。院長による著しい注意義務違反だ」などとする意見があったといいます。

【長村さんの父・安東雄志さん〔今年1月〕】
「私の娘は殺されたと思ってます。その償いを医師はすべきです。リスクマネジメントの体制が取れない医師というのは、僕は医師として抹殺するべきだと考えている」

一方で、無痛分娩に詳しい医師は、出産時の急変などに対処するため、次のような選択肢もあると話します。

【大阪大学・大蔵千代医師】
「いつもはクリニックで診てもらい、産むのは病院。終わって何もなかったら、赤ちゃんと一緒にクリニックにI帰る。(病院で)麻酔蒻医と産婦人科医と動産師と小児科の先生がいると。何か起こった時にすぐ対応できる」

その後、大阪地検が捜査を続けてきましたが、「起訴するに足る事実が認定できなかった」として、9日付で院長を嫌疑不十分で不起訴処分としました。

【長村さんの父・安東雄志さん】
「もともとは警察が動いて、刑事亊イ牛として取り上げて書類送検した。そんな胴牛を、このように不起訴処分とするのは、絶対に間違っている。日本の無痛分娩の施行率は6%と言われているが、ニーズはそんなものじゃない。非常に、日本のいまの医療実態は遅れています」

長村さんの遺族は、今回の不起訴処分を不当だとして今後、検察審脊会に申し立てを行う予定です。」




谷直樹

  ↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


by medical-law | 2019-04-10 23:45 | 医療事故・医療裁判