弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2019年 05月 29日 ( 1 )

鼻咽腔・喉頭用ファイバースコープの消毒用容器の消毒液を2年間交換せずに使い続けていた例

静岡県立静岡がんセンターは,2019年5月27日 ,「ファイバースコープの消毒液交換の不備に関するお詫び」を発表しました.

「このスコープは頭頸部外科外来の患者さんに対して鼻や喉の奥の状態を詳しく観察するための器具で、使用毎に洗浄・消毒を行うものです。洗浄・消毒の手順は、①流水下で、酵素洗剤を用いて付着した汚れ(血液・体液・蛋白)を除去する。 ②中性洗剤で洗浄し、流水で十分に洗い流す。 ③5分間消毒液に浸漬し、流水によりすすぐ。④水分を拭き取ったのち乾燥させるという手順で行っています。通常は上記③の消毒の段階で、全自動洗浄器を2台用いていますが、患者さんの多い日(火、金曜日)には1台の手作業で行う消毒用容器を追加して対応していました。今回、この追加して使用した1台について、消毒液をおよそ2年間交換せずに使い続けていたために消毒不良が発生いたしました。」

「使用した消毒液は、使用開始後有効とされる14日間を大幅に超えており、洗浄水の混入や有効成分の揮発による消毒液の濃度低下により、消毒液としての効果は得られていませんでした。一方、このスコープは鉗子孔のないタイプの単純な洗浄しやすい構造であり、消毒液に漬ける前と後の洗浄過程ではマニュアル通りに洗浄されていたことから、洗浄は十分に行われていたと判断しております。文献に基づいた感染リスクの検証では最も感染力の高い肝炎ウイルスでも、過去の文献から約1,000万分の1と推定されます。また、これまでのところ耳鼻咽喉科領域ではファイバースコープを介した感染事故は学会などで報告されていません。これらを総合的に判断し、病原体の感染リスクは非常に低いと判断しております。」



14日間で交換する消毒液が2年間交換しなかったということは,交換消毒の手順・役割が定められていなかったのではないでしょうか.
問題は,感染リスクの高低ではないように思います.

谷直樹

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by medical-law | 2019-05-29 00:50 | 医療