弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2019年 06月 22日 ( 2 )

福岡地裁令和元年6月21日判決,脳腫瘍の疑いの記載を見落とした事案約1億5700万円支払い命令

毎日新聞「医療ミスで九大病院に1.5億円支払い命令 福岡地裁判決」(2019年6月21日)は次のとおり報じました.

「九州大病院(福岡市東区)で、脳腫瘍の疑いが検査で指摘されていたにもかかわらず、医師が見落として後遺障害を負ったとして、福岡県の30代女性が同病院に慰謝料など約1億9700万円を求めた訴訟の判決が21日、福岡地裁(波多江真史裁判長)であった。波多江裁判長は、見落としと後遺障害との因果関係を認め、同病院に約1億5700万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2006年8月に食欲不振などを訴えて同病院心療内科を受診。同年10月に入院し、頭部CT検査を受けた。検査で1・6センチの脳腫瘍の疑いが確認され、放射線科の医師が報告書に書き込んだが、心療内科の医師が見落としていた。

 11年11月に自宅で転倒し、同病院の検査で脳腫瘍による水頭症と判明。腫瘍は約6センチに増大しており、見落としから約5年2カ月後の12年1月に摘出手術を受けた。女性は記憶力の低下や、左腕や左足にしびれなどの後遺障害が残り、15年に精神障害者保健福祉手帳を取得した。

 波多江裁判長は「見落としがなければ、定期的な経過観察で脳腫瘍の増大を発見し、早期に手術を受けることができた」とし、見落としによる過失と後遺障害との因果関係を認定。そのうえで逸失利益や将来介護費などから賠償額を算定した。

 判決後、女性の母親は記者会見で「病院には二度とこのようなことがないようにしてほしい」と話した。九州大は「結果として治療が遅れたことは、大変申し訳なく思う。判決文が届き次第、対応を検討したい」とコメントした。【宗岡敬介】 」


報道の件は私が担当したものではありません.
過失は明らかで争いようがありません.
このような事案は,不作為の因果関係と損害が争点になります.
1・6センチの脳腫瘍が見落とし期間中に約6センチに増大していたことから,ほぼ全損害との因果関係が認められた判決です.


谷直樹

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by medical-law | 2019-06-22 08:32 | 医療事故・医療裁判

「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」

「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給に関する法律」が施行された2001年6月22日にちなみ,6月22日が「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」とされています .
今年は,曜日の関係で,6月21日に厚生労働省の式典が開かれました.
慰霊碑献花の後,厚労大臣、総理大臣(メッセージ)、法務大臣の式辞があり,ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会,全国ハンセン病療養所入所者協議会,遺族代表の挨拶がありました.

谷直樹

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by medical-law | 2019-06-22 08:19 | 人権