弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2019年 10月 03日 ( 1 )

滋賀県立総合病院でがん疑い報告見落とし男性死亡(報道)

NHK「県立病院でがん見落とし男性死亡」(2019年10月2日)は次のとおり報じました.

「守山市にある県立総合病院で、患者3人に行ったCT検査でがんなどの疑いが指摘されたにもかかわらず、主治医が見落とすなどして適切な治療が実施されなかったことがわかりました。
このうち、80代の男性は見落としから4年後のことし4月に肝臓のがんで死亡し、病院では医療ミスを認め謝罪しました。

滋賀県立総合病院によりますと、4年前の9月からおととし10月にかけて、50代から80代の男性患者3人に行ったCT検査でいずれも「がんの疑いがある」と画像診断の報告書に記載されましたが、主治医が記載を見落としたり別の治療を優先したりして適切な治療を行わなかったということです。
このうち、4年前の9月に肝臓がんの疑いを指摘されていた80代の患者は、ことし4月に肝臓のがんのため死亡しました。
病院によりますと、ほかの2人の患者はことしに入って別の医療機関の検査であらためてがんの疑いを指摘され、県立総合病院で治療を受けています。
病院は検査を依頼した主治医が検査の目的だけに注意を向けていたことや、医師の連携不足などが医療ミスの原因だとして、死亡した患者の遺族と2人の患者に謝罪しました。
病院では過去5年間の画像診断の結果について見落としがなかったか調査するとともに、がんなどの疑いが見つかった場合には報告書に大きく赤字で記入するなどしたりして、再発防止を徹底するとしています。
滋賀県立総合病院の一山智病院長は「医療への信頼を損ねる結果となり、深く反省しています。再発防止に努めます」と話しています。」


京都新聞「がん疑い報告見落とし男性死亡 遺族「言い訳多い」滋賀県立病院」(2019年10月2日)は次のとおり報じました.

「滋賀県立総合病院(滋賀県守山市)は2日、男性患者3人のがんの疑いを指摘したコンピューター断層撮影(CT)の報告を、それぞれの主治医が見落とし、このうち県内の男性1人=当時80代=が約3年半後の今年4月、肝臓がんで死亡したと発表した。一山智病院長は、見落としによる治療の遅れを認めた上で、「患者さま、ご家族に心からお詫び申し上げる」と謝罪した。

 男性の遺族は取材に対し、「謝罪はあったが言い訳が多く、誠意は全く感じられない」と語った。

同病院によると、死亡した男性は2015年9月、泌尿器科の術前検査で心電図に異常が見つかり、CT検査を受けた。放射線診断医による画像診断報告書には「肝臓がんの疑いがある」旨が記されていたが、主治医の循環器内科医は見ていなかった。男性が18年に再入院した際にこの報告書の存在が分かったが、肝臓がんは進行しており、この4月に死亡したという。

 会見した一山病院長は、主治医が報告書を見なかった理由は、専門外の部位の異常への注意を怠ったためなどとし、「見落としで手術機会を逸したのは重大なミス。15年のCT検査直後に腫瘍を切除していれば、亡くなることはなかったかもしれない」などと述べた。男性の遺族には経緯を説明した上で謝罪した。

また、15年と17年、50代男性と70代男性の画像診断報告書に、それぞれがんの疑いが記載されていたにも関わらず、血液・腫瘍内科医や整形外科医が失念したり、見落としたりし、詳しい検査をしなかったという。2人は現在、同病院で治療中で、一山病院長は「患者さまについては治療に万全を尽くす」とした。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
主治医が検査の目的以外には注意を向けないこと,医師の連携不足などは,どこでもありがちなことですので,施設としてきちんと対策をとる必要があることです.

谷直樹

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by medical-law | 2019-10-03 07:18 | 医療事故・医療裁判