弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2019年 12月 12日 ( 3 )

まいどくん勝訴クリアファイル

日弁連の「私がやりました」ファイルも秀抜でしたが,大阪弁護士会の「まいどくん勝訴」ファイルもなかなかのものです.大阪の人は,本当に「まいど」と言います.


谷直樹

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by medical-law | 2019-12-12 07:59 | 弁護士会

受精卵検査に流産防止効果確認できず

共同通信「受精卵検査で流産防止「効果確認できず」 産科婦人科学会」(2019年12月7 日)は次のとおり報じました.

「体外受精をした受精卵の染色体を調べて子宮に戻す検査「着床前スクリーニング」について、日本産科婦人科学会は7日、出産率を上げたり、流産率を下げたりする効果は確認できなかったとする臨床研究の結果を発表した。

「患者数を増やして調べれば期待していた結果が出るかもしれない」としており、学会は年明けにも、対象を数千人規模に増やした研究を始める方針。ただ、先行する欧米の大規模研究では効果がないとする結果が示されている。

今回の研究の対象は、流産を繰り返したり、体外受精を3回以上しても妊娠しなかったりした35~42歳の女性約170人。着床前スクリーニングの有無で二つのグループに分け、出産率の改善や流産率の減少があるかどうか調べたが、統計的に意味のある差は確認できなかった。昨年発表した中間報告では「流産率は下がる傾向にある」としていた。

流産の原因となる染色体異常がない受精卵を子宮に戻すことで出産につながると期待されたが、赤ちゃんになり得る受精卵を誤って「異常」と判断してしまう技術的な課題があるため、効果が出なかったとみられる。

米国の生殖医学会は「全ての患者に日常的な診療として提供するには根拠が不十分」との声明を2018年に公表している。」


やはり現段階の生殖医療には限界があります.

谷直樹

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by medical-law | 2019-12-12 07:23 | 医療

モルヒネを過剰投与された後に死亡し司法解剖の結果モルヒネの急性中毒が死因となった疑いがあるとされた事案で大阪府の病院が関係否定(報道)

共同通信「モルヒネ過剰、女性が死亡 大阪の病院、投与ミスか」(2019年12月11日)は次のとおり報じました.

「大阪府寝屋川市の○○病院で10月、末期の肺がんで入院していた女性患者(70)が痛み止めのモルヒネを過剰投与された後に死亡し、司法解剖の結果、モルヒネの急性中毒が死因となった疑いがあることが11日、捜査関係者らへの取材で分かった。寝屋川署は投与ミスの可能性もあるとみて業務上過失致死容疑で調べている。

 病院を運営する○○会(大阪市中央区)の担当者は取材に対し、過剰投与はあったとした上で「
患者は肺がんにより亡くなったと考えている」として、死亡との因果関係を否定している。」


報道の件は私が担当したものではありません.
因果関係(あれなければこれなしの関係)は仮定的な判断になるので難しいのですが,モルヒネを過剰投与された後に死亡し(時間的近接性),司法解剖の結果モルヒネの急性中毒が死因となった疑いがあるとされたとのことだけでは,モルヒネの過量投与と死亡との因果関係は否定も肯定もし難いのではないでしょうか.民事の損害賠償裁判では立証責任が原告(遺族)側に課せられていますので,因果関係を立証できないと生命侵害についての賠償請求は棄却されますが,過量投与は債務不履行ですので慰謝料請求権が認められる余地はあります.なお,過失と因果関係を認め1880万円の支払いを命じた裁判例があります(横浜地裁平成18年1月26日判決).

谷直樹

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by medical-law | 2019-12-12 06:59 | 医療事故・医療裁判