弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 01月 22日 ( 2 )

クリニックが帝王切開時の全身麻酔の母体死亡で提訴される(報道)

福島テレビ「帝王切開で死亡したのは医療ミス 亡くなった女性の遺族が損害賠償を求める裁判」(2020年1月21日)は,次のとおり報じました.

「帝王切開で出産した女性が死亡したのは医療ミスが原因として、遺族が病院を運営する法人を相手取り損害賠償を求めた裁判の第一回口頭弁論が開かれた。

訴えによると当時36歳の女性は2019年1月。福島県○○市の○○クリニックで、全身麻酔をうけ帝王切開で出産したが、低酸素状態に陥りその後死亡した。

女性の遺族は全身麻酔後の速やかな気道確保を怠ったことが原因として病院を運営する法人に慰謝料などおよそ8200万円の損害賠償を求めている。

第1回口頭弁論は21日に福島地方裁判所で開かれ、被告の病院側は欠席した。

遺族の代理人によると病院側は請求の棄却を求め、全面的に争う姿勢を示したという。」


報道の件は私が担当したものではありません.
全身麻酔で帝王切開をうけた妊婦の死亡率は局所麻酔で帝王切開をうけた妊婦の16.7倍という報告がひろく知られています.その後,1.7倍という報告があり,差は縮まっているようですが,やはり妊婦の全身麻酔には危険性がありますので,適応は厳格に判断される必要があります.帝王切開のための全身麻酔をそもそも当該クリニックで行ってよいのか,という論点があると思います.
帝王切開時の全身麻酔には常に挿管困難のリスクがあります.
事前にリスクの程度を評価すること,挿管困難となったときに備えること,気道確保を確認してから手術を行うこと,再挿管は困難なので抜管は慎重に行うこと等が重要になります.
報道の件はどのような事案だったのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2020-01-22 18:05 | 医療事故・医療裁判

がん見落とし事故 遺族の思いと県医療局の対応

NHK「がん見落とし事故 遺族の思い」(2010年1月21日)は次のとおり報じました.

「岩手県立二戸病院で、CT検査でがんの疑いが診断されたにもかかわらず、主治医が3度にわたって検査結果を見落とした医療事故について、亡くなった男性の遺族がNHKの取材に応じ、「再発防止の対策をとってほしい」と心境を語りました。

岩手県立二戸病院では、平成27年に60代の男性患者がCT検査を受けた際、放射線科の医師が腎臓のがんが疑われると診断しましたが、主治医が3度にわたって検査結果を見落としました。
このため治療が遅れ、男性は平成29年1月に死亡し、県は先月、遺族に謝罪しました。
この男性の娘はNHKの取材に応じ、心境を語りました。
女性は、「父のことがすごく好きだったので、亡くなったことがいまだに受け入れられていない。父は人生の最後になぜこんなに辛い思いをして亡くならなければいけなかったのか無念です」と話しました。
また、女性は再発防止の徹底を求めるため、21日付けで達増知事に要望書を送りました。
この中で、放射線科の医師が直接主治医に電話して所見を伝えることや、原則として報告書を患者に渡して説明するなどの対策をとることを要望しました。
県医療局業務支援課の鎌田隆一総括課長は、「画像診断の見落としを防止するシステムを、来年度の早期にすべての県立病院に導入していきたい」と話し、再発防止に向けて取り組む考えを示しました。」


岩手県の対応に注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-01-22 00:24 | 医療事故・医療裁判