弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 02月 03日 ( 2 )

35期問題の解決が黒川弘務氏の定年延長とは!

31日の閣議で,2月7日に定年退官する予定だった黒川弘務東京高検検事長の勤務を半年延長し,8月7日までとすると決めました.
これについて,検察庁法で決められている検察官の定年を,国家公務員法の規定を使って延長するのは違法,脱法行為と批判されています.

次期検事総長と目されていたのは,黒川弘務氏(1957年2月8日生)と林真琴氏(1957年7月30日生)で,お二人とも司法修習35期です.
黒川弘務氏は現政権に近く,林真琴氏は政治には中立的です.
検事総長の定年は65歳で,検事総長以外の検察官の定年は63歳です.(これに対し,国家公務員の定年は60歳です.)
そのため,検事総長は約2年で交代し2期下の検察官が就くのが通例でした.(つまり,14年後には私の同期が検事総長になるはずです.)
黒川弘務氏は,林真琴氏より先に生まれたため,先に定年を迎えます.
稲田伸夫検事総長(1956年8月14日生,司法修習33期)は,2月7日より前に辞めるつもりはありません.
そこで,現内閣は,国家公務員法の規定を使って,黒川弘務氏の定年を延長したのです.

(条文)
検察庁法第22条 
検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。

国家公務員法第81条の3第1項 
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。


【追記】
朝日新聞「検察官は定年延長の適用外? 「今も同じ解釈」人事院」(2020年2月12日)はつぎのとおり報じました.
 
「東京高検検事長の定年延長問題をめぐり、人事院の松尾恵美子・給与局長は12日の衆院予算委員会で、国家公務員法の延長規定が検察官には適用外とした1981年の政府答弁について「現在まで同じ解釈を続けている」と語った。

 ただ、「検察庁法に定められる特例の解釈に関わる。法律の解釈なので法務省で適切に整理されるべきだ」とも述べた。人事院の見解は国家公務員法を延長の根拠とする法務省とは異なるものの、最終的な判断は法務省に委ねるとの姿勢を示した形だ。

 国民民主党の後藤祐一氏の質問への答弁。政府は先月、黒川弘務・東京高検検事長(63)の定年延長を決定。野党は検察官の定年を63歳と定める検察庁法に「違反している」と反発するが、森雅子法相は、国家公務員法の延長規定を決定の根拠とし、問題ないとの考えを繰り返している。」


谷直樹

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by medical-law | 2020-02-03 02:46 | 司法

《ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64》

フェリックス・メンデルスゾーンン氏は多くの水彩画を残しています.
《夏の夜の夢》,《無言歌集》などを聞くと,絵のような情景がうかびます.
《ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64》は,独奏ヴァイオリンの比重が高く,いかにもヴァイオリン協奏曲らしい作品で,華やかで優美,繊細です.好きな曲です.
今日2月3日は,フェリックス・メンデルスゾーンン氏の誕生日です.


谷直樹

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by medical-law | 2020-02-03 01:39 | 趣味