弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 02月 04日 ( 2 )

「美人のすべて」展

昨年10月,嵐山に福田美術館が開館しました.
同美術館で,「美人のすべて」展が,2020年1月29日(水)から2020年3月8日(日)まで開催されています.
松園氏の「雪女」が本邦初公開となります.
展示の中心は松園氏の作品で,鏑木清方氏,伊東深水氏,木島櫻谷氏などの作品も展示されているそうです
是非行きたい展覧会です.

【追記】
新型コロナウイルス感染予防のため3月2日より臨時休館となりました.

谷直樹

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by medical-law | 2020-02-04 02:41 | 趣味

新潟市の病院,静脈を損傷する医療ミスがあったことを認め3800万円余りを遺族に支払うことで和解(報道)

NHK「医療ミス 新潟市民病院が和解」(2020年2月3日)は,次のとおり報じました.

「新潟市民病院でおととし11月、70代の男性が心臓付近の血管の手術を受けた際、大量に出血してその後死亡し、病院は静脈を損傷する医療ミスがあったことを認めて3800万円余りを遺族側に支払うことで和解しました。

おととし11月、新潟市の新潟市民病院で、新潟市に住む70代の男性が心臓付近の大動脈の壁に亀裂が入る病気と診断され、手術を受けましたが、その際、背中側の太い静脈を損傷して大量に出血しました。
男性は損傷した静脈の修復手術などを受けましたが、合併症を引き起こし、手術の2か月後に死亡しました。
病院がその後調査を進め、男性が死亡したのは手術中に静脈を損傷し大量に出血した医療ミスが原因だったと認め、遺族側と協議した結果、3800万円余りを支払うことで和解しました。
新潟市民病院の片柳憲雄院長は「亡くなった患者に哀悼の意を表すとともにご遺族に心から深くおわび申し上げます。今後このような医療事故が起きないよう再発防止策の実施を徹底するとともに、職員一丸となって信頼の回復に努めて参ります」とコメントしています。」


新潟市民病院は,令和2年2月3日,「医療事故に係る和解について」をそのサイトで公表しています.

「1 事故の概要
(1)患者新潟市在住の70代男性(事故当時)
(2)臨床経過・平成30年11月、急性大動脈解離の診断にて入院、上行大動脈人工血管置換術を施行した。
・術中、体外循環(人工心肺)のために右大腿静脈から脱血管を挿入した際、下大静脈を損傷した。
・術中に下大静脈の損傷部位の血管修復は行ったが、出血性ショックから、術後に敗血症などの合併症を来した。
・合併症に対しては細心の注意及び適切な対応をしていたが、最終的には多臓器不全や消化管出血に至り、平成31年1月に死亡した。

2 死亡に至った原因
右大腿静脈からの脱血管挿入に際しては、ガイドワイヤーを血管内(右大腿静脈から下大静脈)に先行させ、その先端を経食道心エコーにてガイドワイヤーの先端が右心房の位置にあることを確認しながら、ガイドワイヤーに追従するよう脱血管の挿入を行う。この手順で脱血管を挿入中に、脱血管先端が下大静脈を損傷し、後腹膜に大量出血を来した。脱血管の先端が、下大静脈壁を貫通し、その後、脱血管を抜去した際に下大静脈の穿孔部から大量出血を来したものと推定された。穿孔に至った解剖学的な原因については、剖検が施行されておらず、その詳細を明らかにすることは困難であるが、死因は下大静脈損傷による大量出血に起因する多臓器不全及び消化管出血と判断された。

3 和解に至った当院の考え
体外循環のための脱血管挿入において、ガイドワイヤー及び脱血管が常に血管内にあることを確認しながらの安全な挿入が行えず、このため下大静脈損傷による大量出血を来し、多臓器不全及び消化管出血となり死亡に至ったものであり、当院は損害賠償責任を免れないと判断し、患者の相続人との間で協議を進め、議会の議決を条件とする和解金38,545,892円での和解合意に至った。

4 再発防止に向けた取組
(1)体外循環のための脱血管挿入においては、経食道心エコーによるガイドワイヤー先端の位置確認に加え、X線透視下にてガイドワイヤー及び脱血管の走行を確認しながら手技を行うこととした。
(2)再発防止及び類似事例の発生防止に資するよう、事例の内容を関係職員に周知した。」


報道の件は私が担当したものではありません.
手術で死亡につながるような血管損傷を起こした場合は,原則として医療ミスの疑いがあると考えられます.これは心臓付近の大動脈の手術でも基本的に同じと思います.もちろん,手術にはリスクがあり,リスクの高い手術では注意深く愛護的に操作しても血管を傷付けることは有り得ますが,リカバリー不可能な事態はそうそう起きません.静脈から出血させても止血して手術を終えることが普通です.血管損傷により死亡結果が発生する場合は,リカバリー不可能なほどの大きな損傷をあたえた場合,静脈からの出血に気づくのが遅れ止血が遅れた,など原因があるはずです.原因を究明し,事故の再発を防止することが重要と思います.
封土の件は,「体外循環のための脱血管挿入において、ガイドワイヤー及び脱血管が常に血管内にあることを確認しながらの安全な挿入が行えず、このため下大静脈損傷による大量出血を来し、多臓器不全及び消化管出血となり死亡に至った」と原因が解明されています.
そして「体外循環のための脱血管挿入においては、経食道心エコーによるガイドワイヤー先端の位置確認に加え、X線透視下にてガイドワイヤー及び脱血管の走行を確認しながら手技を行うこと」という再発防止策もとられました.

谷直樹

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by medical-law | 2020-02-04 01:40 | 医療事故・医療裁判