弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 02月 15日 ( 2 )

「医療判例解説2020年2月号」掲載の千葉地裁平成31年1月25日判決について

「医療判例解説2020年2月号」(No.84号)に,私が担当した千葉地裁平成31年1月25日判決が「PEG予定を小切開による開腹での胃瘻造設術に変更して手術し、施行後に患者が死亡したため損害賠償を求めた事例」として掲載されました(ちなみに,私は同誌にこの判決文を送っていません.).

同誌に掲載された医師のコメントは,原判決の誤った事実認定を前提としています.「本件における夫の代理判断が本人の最善の利益判断となっているか,夫は代理判断者として適切であったのか等の倫理的問題も本件には内包しています」とのコメントが記載されています.
しかし,医師は夫が入院させたくないと述べた理由を聞いていませんし,患者の耐手術能を調べるための検査も行っていません.理由を聞いていれば,検査を行っていれば,夫は入院設備のある施設での手術を選択したかもしれません.入院設備のない医院での日帰り手術が行われたことについて,夫が非難される理由はないと私は考えます.
また,PEG予定を小切開による開腹での胃瘻造設術に変更しようしたとき,医師は夫に連絡すら行っていません.PEG予定を小切開による開腹での胃瘻造設術に変更することを患者の子(原告)に伝えていますが,説明と同意はありません.千葉地裁の判決はこの点をとらえて説明義務違反を認定しました.

この千葉地裁の判決に対して原告は控訴し,主張内容を変え,東京高裁で和解しています.
したがって,この千葉地裁判決には先例的意義はないと思います.

判例時報などでは,控訴中,確定などの記載があるのですが,医療判例解説にはなぜかそのような記載がありません.

谷直樹

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by medical-law | 2020-02-15 12:09 | 医療事故・医療裁判

なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな


月前の恋といへる心をよめる
なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな

百人一首でよく知られてた和歌です.
辻邦生氏の小説では,北面の若い武士(後の西行法師)が,法金剛院の枝垂れ桜の下に佇む17歳上の美女待賢門院璋子をみそめますが,真偽は不明です.
なお以前NHKの大河ドラマ「平清盛」で待賢門院を檀れいさんが演じていて適役でした.
大河ドラマでは西行法師と平清盛氏は親友でしたが,同じ年の生まれで北面の武士から政争と戦乱の世界へ突き進んだ平清盛氏より,出家して花と月をめでて飄々と暮らした西行法師のほうが,後世の人々の共感を得ていると思います.
西行法師の命日は2月16日ですが,西行忌は今日2月15日です.

谷直樹

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by medical-law | 2020-02-15 05:03 | 趣味