弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 03月 13日 ( 3 )

日本医師会の通知「新型コロナウイルス感染症が疑われる者の診療に関する留意点について」

日本医師会の通知「新型コロナウイルス感染症が疑われる者の診療に関する留意点について」(2020年3月11日)は,「基本的に誰もがこのウイルスを保有している可能性があることを考慮して、全ての患者の診療において、標準予防策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底すること、また、患者が発熱や上気道症状を有する等の場合であっても、後述の検体採取やエアロゾルが発生する可能性のある手技を実施しないときは、標準予防策の徹底で差し支えないこととされております。 上記について、日本医師会として、新型コロナウイルス感染症に関する知見が得られていない現状では、例えばインフルエンザなどの場合には検査をせずに臨床診断にて治療薬を処方することをご検討ください。・・・」 というものです.

日本医師会は,,標準予防策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底すること等を求めています.
感染リスクを減らすために,インフルエンザなどの場合には検査をせずに臨床診断にて治療薬を処方することの検討を求めています.

通知は,医師法第 19 条の応招義務について次のとおり述べています.

「患者が発熱や上気道症状を有しているということのみを理由に、当該患者の診療を拒否することは、応招義務を定めた医師法第 19 条第1項における診療を拒否する「正当な事由」に該当しないため、診療が困難である場合は、少なくとも帰国者・接触者外来や新型コロナウイルス感染症の患者を診療可能な医療機関への受診を適切に勧奨することとされております。」

現場の混乱が眼にうかびます.大変ではありますが,医師会の通知にしたがい頑張っていただきたいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-13 09:55 | 医療

大学病院,検査対象としていた部位以外の腸の悪性腫瘍について情報共有が図られず4年間放置(報道)


山形新聞「山形大病院、患者腫瘍を4年放置 検査結果、共有されず」(2020年03月12日)は次のとおり報じました.

「山形大医学部付属病院(根本建二院長)は11日、入院患者に対する内視鏡検査で見つかった腫瘍について、4年間にわたり検査結果を知らせず、腫瘍が増大する医療事故があったと発表した。腫瘍は進行がんになるなど影響があったとしている。同病院は患者や家族に謝罪し、患者は別の病院での治療を続けているという。

 根本院長、佐藤慎哉医療安全管理部長(副院長)らが山形市の同学部で記者会見し経緯などを説明した。

 病院の説明によると、2015年9月に腸の炎症で入院していた患者に対して内視鏡検査を行った際、検査対象としていた部位以外の腸で1センチと5ミリの二つのポリープが見つかった。組織検査の結果、悪性腫瘍と分かった。検査担当の医師は腫瘍について電子カルテに記載したが、検査を依頼した主治医はカルテの記載を十分に確認していなかった。その後も情報共有が図られず、患者への説明や治療は行われなかった。

 この患者が19年8月に他の疾患で検査入院した際、画像診断で増大した腫瘍が見られ、4年前の検査結果が放置されていたことが発覚。院内の医療事故防止対策委員会で、調査を進めてきた。原因について検査結果の情報共有が不十分で、患者への説明や治療に関する責任の所在が不明確だったと結論づけた。

 同病院は患者の居住地や年齢、性別、腫瘍が見つかった具体的な部位などに関して、患者の同意を得られなかったとして公表できないとしている。会見で根本院長は「起きてはならない医療過誤が起きてしまった。非常に大きな責任を感じている」と頭を下げた。 」


報道の件は私が担当したものではありません.
この類型の事故は,情報共有の体制が整っていない病院ではどこでも起き得ることです.
すべての病院でこの類型の事故が起きないように体制を整備していただきたいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-13 05:49

男性裁判官の育児休業

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岩瀬達哉氏が東洋経済に「裁判官も人の子」と驚かされる情実人事の記憶 男性裁判官が「育休」を取ったら左遷された話」を書いています.
「「裁判官の育児休業」に関する最高裁資料によれば、2006~2015年度の10年間の育休取得者数は680人。そのうち女性裁判官は657人で、男性裁判官は23人とある。」とのことですが,男性ではじめて育休をとった裁判官が平野哲郎氏です.
平野氏は1996 年4月 札幌地方裁判所に赴任していますので,私の札幌での司法修習と重なっています,平野氏が配偶者が医学部の学生だったため2001年10月に大阪地方裁判所で育休をとろうとしたときに事件は起こりました.
平野氏は前掲記事の中で「憲法と良心に従って独立して仕事ができると思って裁判官になり、裁判所に入ったわけですが、育児休業を申請した途端に異分子扱いされるようになった。いまと違って当時は、夫の育児参加に理解のない裁判長がいて、人権保障の砦であるはずの裁判所なのに残念だなとの思いが募った」と述べています.

ちなみに,平野氏は「医師民事責任の構造と立証責任」(日本評論社)を執筆しています.



谷直樹

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by medical-law | 2020-03-13 05:03 | 司法