弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 05月 01日 ( 3 )

新型コロナ差別との戦い

厚生労働省は,正しい理解と行動を促す啓発用チラシを作成したとのことです.
新型コロナ差別との戦い_b0206085_17222511.jpg

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11124.html

飯塚真紀子氏の「【新型コロナ】医療従事者が“コロナいじめ” にあう日本、ヒーローになるアメリカ」(2020年5月1日)によると,米CBSニュースは,日本の医療従事者が同じ日本人から精神的な重圧を受けている状況を伝えたとのことです.
「車に戻ろうとしていた看護師が動揺した男から「なぜ看護師が外を歩き回っているんだ? 馬鹿げている。ウイルスが広がっているのはお前のせいだ」となじられた話や、東京の公園では、子供を連れた看護師が「病院で働いているですよね? ここから出て行ってくれませんか」と言われた話、引越し業者が病院で働くスタッフの家具を動かそうとしなかったという話、看護師が保育施設に子供を連れてこないように言われた話などが紹介された。 」

本当は日弁連にも差別解消のため頑張ってもらいたいところですが,日弁連事務局の業務縮小を5月31日まで延長するとのことです.

沖縄弁護士会は,2020年5月1日,「新型コロナウイルス感染症に関わる差別のない社会を作るための会長声明」を発表しました.

「新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界各地に拡散し、日本国内及び沖縄県内においても終息の見通しは全く立っていません。
私たちは多くの不自由を余儀なくされています。経済活動は縮小し、多くの事業者が経営難に陥り、雇用は著しく不安定となり、子ども達の教育の場が大幅に減少しています。誰もが先行きの見えない不安を抱えているにも関わらず、心の安定をもたらしてくれる娯楽施設や友人との会食すら、私たちは避けなければなりません。
未知のウイルスは、私たちに大きな不安と恐怖を与えます。どこに潜んでいるかわからないウイルスへ恐れは、そのままウイルスの感染者や、感染者かもしれない人々への恐れへと変わります。患者の家族や同僚、患者の治療にあたる医療従事者、感染拡大地域の住民、帰国者、外国人へと、恐怖の対象は広がっていきます。
そして、恐怖は差別へとつながります。恐怖から身を守るために、私たちは恐怖を与えるものを嫌悪し、排除し、差別します。患者の個人情報をインターネット上に晒したり、患者の家族の家に落書きをしたり、医療従事者の子どもの保育所利用を拒否したり、他府県ナンバーの車を煽ったりといった差別行為が日々報道されています。
感染症の恐怖から生み出される差別は、地域や時代を問わず人類が経験しているものです。たとえば、かつて私たちはハンセン病や後天性免疫不全症候群(エイズ)等の患者に対し不当な差別を加えました。
その教訓をふまえて成立した「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」第4条は、「国民は、感染症に関する正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければならない」と定めています
ところが、私たちは再び過去の過ちを繰り返そうとしています。
私たちは連日テレビやインターネットで報道・拡散される新型コロナウイルスに関する新しい情報に振り回され、右往左往しています。根拠のない情報やうわさ話は、未知のウイルスに対するさらなる恐怖と嫌悪を引き起こします。そのプロセスは、ハンセン病や後天性免疫不全症候群の患者についてかつて犯した過ちと共通する面があります。
新型コロナウイルスは、人々に恐怖を与え、差別を助長し、社会を分断させる作用を持っています。そのような負の作用に打ち勝つために、今、私たちに求められることは、感染症に関する正しい知識を持ち、「正しく恐れる」ことです。そして、患者ら一人ひとりが置かれた立場を想像し、思いやることです。
誰もが新型コロナウイルスに感染する可能性をもっています。運悪く感染して命の危機に直面している人々や、最前線で治療にあたっている人々の過酷な状況を想像すれば、私たちがなすべきことは、彼らを排斥して差別することではなく、正しい知識に裏付けられた行動、すなわちこまめな手洗いや消毒、外出の自粛などであることが理解できるでしょう。
新型コロナウイルスに関わる差別を防ぐためには、私たち一人ひとりの行動と自覚が必要です。そして、私たちに大きな影響を与える行政と報道機関の責任は、さらに重大です。
行政と報道機関は、新型コロナウイルスに関する正しい知識と情報を、可能な限り分かりやすく、迅速に伝えて下さい。根拠のない言説が流布している場合には、それを正して下さい。
行政と報道機関は、差別を助長するような表現・報道を避けるよう、細心の注意を払って下さい。特に地域社会のつながりが強固な沖縄県において、感染者個人の特定につながるような情報の開示には最大限の注意を払って下さい。
沖縄弁護士会は、新型コロナウイルスに関わる差別を防止し、患者やその家族、同僚、医療従事者、帰国者や外国人ら一人ひとりの人権を守り、社会全体の連帯を保持するために、全力をもって取り組んでいく所存です。」


谷直樹

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by medical-law | 2020-05-01 17:24 | 人権

院内感染防止,「サイレント肺炎」,第2波、第3波に備え「コロナ専門病院」

NHK「東京都医師会「全国レベルで宣言継続し自粛徹底を」新型コロナ」(2020年4月30日)は次のとおり報じました.

「東京都医師会の尾崎会長は30日の記者会見で、「全国レベルで継続するようにしてほしい。これまでどおりの自粛では人の流れは6割5分くらいしか減っておらず、目標の8割には達していない。改めて原点に戻り、政府には国民が安心して自粛ができるような休業補償の対策を強化してほしいし、国民の皆さんには自粛を徹底してほしい」と述べ、一層の自粛を求めました。
そのうえで、今後、感染の拡大が収まってきた段階で、中等症の患者を集中的に受け入れて治療する「コロナ専門病院」の設置を東京都に提案していることを明らかにし、尾崎会長は、「将来的には感染の第2波、第3波がある。感染のスピードを遅くして、医療体制の構築を進めていきたい」と話していました。」


NHK「自衛隊中央病院 院内感染対策など公開 東京 新型コロナ」(2020年4月30日)は,次のとおり報じました.

「200人を超える新型コロナウイルスの患者を受け入れた自衛隊の病院が、院内感染の対策などを報道関係者に公開しました。
公開されたのは、東京 世田谷区にある自衛隊中央病院で、取材は病院の指導のもと、患者が出入りする動線などと重ならないように配慮して行われました。
30日は、院内感染の対策や患者の受け入れ態勢が公開され、病院に来た人はすべて建物の外にあるテントで体温を測っていることや、感染の疑いの強い人が搬送されてきた場合には、出入り口から検査場所まで専用の動線を設けて誘導していることなどが紹介されました。
また、重症の患者を受け入れている病棟では、廊下を二重の扉で仕切ったうえ室内の空気が外に流れ出ないよう陰圧に保つ対策をしているということです。
病院では、新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客など、200人を超える患者の治療に当たっていて、これまでに院内感染は起きていないということです。
また、自衛隊中央病院は先月、クルーズ船の患者について、軽症や無症状の人でも胸部のCT検査を行うとおよそ半数に肺の異常が認められ、このうち3分の1は、その後、症状が悪化したとする分析結果を公開しています。
病院は、この特徴を「サイレント肺炎」と呼び、症状の悪化に気付きにくいおそれがあると指摘しています。
自衛隊中央病院の上部泰秀院長は「いろいろな医療機関と協力して画像所見を共有してソフトを開発したり、共通の基準を見つけたりすることに取り組んでいる」と話し、今後もほかの医療従事者と知見を共有したいとしています。」


あるべき医療体制の姿が少しですが見えてきました.
東京都医師会は,1日の感染者が限りなく10に近づくようになれば機会解除との見解を示しました.
尾崎氏が会長で本当によかったと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-01 09:57 | 医療

『ガイーヌ』より《アダージョ》(『2001年宇宙の旅』)

アラム・ハチャトゥリアン氏のバレエ音楽『ガイーヌ』の《アダージョ》は,スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968年)で使われています.
木星へ向かうディスカバリー号の中のデビッド・ボーマン船長の孤独なジョギング・シーンにぴったりの静謐で美しい音楽です.
何日も誰とも会わずに一人事務所で仕事をしていると,気分はボーマン船長です.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-01 06:02 | 趣味