弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2020年 05月 05日 ( 2 )

無策の策,緊急事態宣言延長

安倍晋三首相は(富士フイルム富山化学の)アビガンの月内の薬事承認を目指したいと述べました.非常に危険と思いました.

緊急事態宣言が延長されることはすでに報じられていましたので,首相会見でどのような対策が示されるかが,注目でした.ところが,本当に何もない空虚な会見でした.
延長,解除については,エビデンスに基づく判断基準が必要です.休業を求める以上,休業補償は必要条件です.ところが,何もありませんでした.
何も策が無いので緊急事態宣言を延長した,ということなのでしょう.
安倍晋三氏が首相を続けられる理由が謎です.

専門家会議副座長の尾身茂氏は,「日本は感染症の法律も制度的にも地方衛生研究所が主体でやってきて、例えば麻疹、結核の審査は仕事の一環だが、新しい大流行の病気を大量に検査するという仕組みになっていなかった,PCR検査の拡充が遅れた,と認めました.

(1)保健所の業務過多(尾身氏は職員がかなり減らされてきた点も問題視)
(2)入院先を確保する仕組みが十分に機能していない地域があった
(3)地方衛生研究所は人員削減の中で通常の検査業務をしなければならなかった
(4)検体採取者、マスクや防護服など感染防護が圧倒的に不足している(尾身氏は、このため医師らが検査に二の足を踏む原因になると補足)
(5)一般の医療機関が検査をするには都道府県と契約する必要があった。
(6)民間検査会社には運ぶための特殊な輸送機材がなかった
等の理由で必要なPCR検査ができなかった,と認めました.
PCR検査が不足しているためもあり,未だに感染実態が把握できていません.再生産率の数字も根拠薄弱です.

受診目安を「発熱後4日」と定められた理由についても,(医療現場の)キャパシティーが低くて足りなかったという実態があった,現実を無視した提案はできなかった,と認めました。
入院できずに亡くなった人が少なくとも11人います.
統計的な超過死亡者の中には「発熱後4日」を守って死亡し,死後も検査されなかったために新型コロナ感染症との関連性が証明されない人がいるかもしれません.

検査,診断,治療は臨床医療の基本手順です.
治療が対症療法しかなくても,早期診断,早期治療のほうが救命の可能性が高まります.
必要なPCR検査を行っていれば,エビデンスに基づく適切な公衆衛生的な対策をとることができたはずです.必要なPCR検査が行われなかったことが今日の事態を将来したと言わざるを得ないでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2020-05-05 01:29 | 医療

《旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)正面玄関ガラスレリーフ扉》

アンリ・ラパン氏が内装を手がけた旧朝香宮邸は,どこをみてもアール・デコで,素晴らしいです.
とくに,《旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)正面玄関ガラスレリーフ扉》は, アール・ヌーヴォーを極め,アール・デコを創ったルネ・ラリック氏が製作したもので,洗練されたガラス芸術最高の作品です.


谷直樹

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by medical-law | 2020-05-05 00:22 | 趣味